2021-01-01から1年間の記事一覧

わたしの横でねむるあなたの歌が、隣のキッチンから聴こえはじめる(上)

旅に読書はつきものだ。高速バスの出発まで、2時間半。わたしはターミナル横のちいさな書店のなかに、これから始まる夢の日々に向けて準備したひみつ道具がたくさんつまったキャリーバッグをひきひき立ち入り、目についた雑誌をかたっぱしからめくりはじめる…

復活のイデオン

まいにち更新するかはさておき、今日からぼちぼち再開してゆきます。書かないあいだに気づいたのは、ブログを書かないぶん、べつのところに何かを書こうとする意識が芽生えたことと、日々のささいな生活のなかに「これはブログに書こう」と思い立つ時間があ…

賛美の中心

乗代雄介『旅する練習』を読みおえます。物語のおわり、その突き放しかたにきょうれつな一撃を喰らうのですが、つまりこれは生と死のあいだに「忍耐」の場所があることをはっきりと伝えているわけです。これは書く/読むの断絶を象徴的にあらわすものともい…

湿度のゲンガー/not u

深夜に小泉義之政治論集成がでると月曜社のついを見かけ、高揚します。口頭でも、ブログでも、ラジオでも(ほんとか?)なんども述べていることですが、わたしはこの廣瀬純×小泉義之対談のおかげで、自らを左翼と規定することができるようになったので、刊行…

ぷっつん劇場-初夏の陣

昨夜のサンラータン風スープにひき肉を入れ、うどんで食べます。ラー油も加えてパンチを与えます。食べおえ、シャワーを浴びようかというところで祖母も起きてきたので、同じものをつくり、食べてもらいます。夕飯はシャケと大葉の炊き込みごはんをつくろう…

上手の舌打ち

トロプリ15話「みのりがローラで、ローラがみのり!?」。かわいさマウンテン。ローラもみのりん先輩もサイコーだ。日記、というか詩を勝手に読まれてキレるみのりんローラのしぐさ・表情がゆうしょうです。ローラ変身への布石として、よい話であったのでは…

字幕を巻いた小指を立てる

HAGAZINEを読んだり詩を書いたりしていちにちをはじめてゆきます。中途までしあがっていたものが一篇書きあがります。これはいまデザインをしている冊子に掲載されるものです。テーマを与えられて書く、というのははじめてに近い経験のような気がしますが、…

晴れることができない

テキストを書く。つらい。書きすすまないので。全体のあたりをつけ、嘆く。ちみちみと文字を打っては、歯を食いしばる。早めに寝、明日のわたしに任せることにする。料理は米を炊くだけでサボる。惣菜があったので。めざめ、しばらくブログをめぐる。ひとの…

norepinephrine noreply

音信不通だったコンペ、作品を受け取りましたという連絡がやっときた。英語で催促するのが億劫だなと思っていたのでよかった。wetransferの相手がダウンロードしたことがわかる機能、とてもよい。献立、キャベツと干し海老のスープ、牛ニラ炒め、キャベツと…

ちゅう/ななつの唇

わたしはあなたの代弁者でもなんでもない。自己の思想や精神を代表するおこないの総体である。フェミニズムを念頭にした作品をつくりながら考えるのは以上のようなことだ。これは外山恒一が政治活動において「正義感」ではなく「被害者意識」にこそ重きを置…

7999のクリック、その個別的な意味について

アーロン・グジコウスキ『レイズド・バイ・ウルヴス』9-10話。なんやねんこれ、という観終えたときの第一声。シーズン2は観ない。海外ドラマ自体観るのがめちゃくちゃひさしぶりなのだが、いまはこのような長い長いシーズン展開を視野に入れた「ファーストシ…

残像雑念雑菌雑貨

昨晩作品を提出したコンペが、事前の通知も事後の報告もなしにさらっと〆切をひと月のばしていて、そんなんありかよと思っている。受け取りましたの連絡も、数時間で送りますという自動メッセージを見てからすでに24時間以上経っているにもかかわらず音沙汰…

もつれる身体、精神のタトゥー

ブライアン・デ・パルマ『キャリー』(1976)。はじめてのデ・パルマ。爽快! わたしはラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』(2003)がむちゃくちゃ大好きなので、本作のカタストロフ的快楽にも当然胸をブチ抜かれる。ずいぶん前から観たいと思ってい…

中間のはじめ

月末はみじかい小説をあっぷするルーチンでしたがしばらく休みます。リンダリンダズをその属性のみにおいて侮蔑するくそどもは論外として、一様に称揚する光景に対してきもちわるさを感じてしまう自分がおり、つまりこれは彼女たちに彼女たち以外のものを代…

さっぱりの仲間

夜中にレスポンスがあり、明け方までその対応をおこなう。その中身自体はともかく、こういうはたらきかた、まったくしたくない! 社会構造への抵抗と、実務への責任がいきおいよくぶつかって、自己矛盾に陥ります。威勢のいいことばかりいってられねえぞ!っ…

融解曲線パントマイム

さあ、原稿を送るぞとメールにファイルを添付してからの確認・修正の時間。ここで粘り腰を発揮することが、よりより制作物を生みだす支えになる。そんなことを思いながら、語尾を言い換えたり、語順を整序したりする深夜1時。しばらく奮闘したあと送信し、ひ…

normalized fuckness

継続してテキストの編集。全体の見通しがついたので後は細部を詰めるだけ。とはいえ、その細部こそが重要なのであって、なおかつ原稿の性格上、いちどのやりとりで終わるとは思っていないので、まだ予断は許されない。いくつか確認の連絡もおこない、文の精…

ぼくら引くあなたイコール

ゆきづまりを感じています。自身が納得できるような生の出口を見いだすことができず、20代さいご(と、年齢におおきな意味づけをしてしまうのもよくないですね)の日々を送っています。かつて想像した未来と、いま想像しうる未来と、はたしてどちらが華やか…

白い花びらを縫う朝に書かれた願書

朝食、そせじうどん。注文した本がとどく。値段のわりには受けとった段ボールは軽く、その単価の高さを思って少しだけウッとなる。しかしそんな嘆きも手もとにとどいたよろこびのほうが上回り、少しばかり小躍りする。居間で座ってテレビを見ていた祖母は、…

寝言ばかりいう草をむしらないで

富野本がとどく。テンションブチ上がり。気分がみちがえます。ありがとう物体。ということで『富野由悠季の世界』と『富野由悠季 全仕事』をパラパラ読んでしばらく過ごす。昼食はパンとスープ。今後の富野作品マラソンのいい相棒になってくれそう。献立。き…

堤防と硬直

起床即ついったのコンボをキメると、三浦建太郎の訃報が目に飛びこみ、「は?」と声がでる。落選作のリファインのつづき。まったく別様の作品に仕上がりそうなのでべつのコンペにだそうと昨夜決め、規定の判型がちがうので作り替えの作業をしていく。また、…

もう間に合わない蛞蝓

ジェフ・ニコルズ『テイク・シェルター』(2011)。ファーストカットで風に揺れる木の葉が映しだされ、つぎにそれを見る男のカットが接続される。来るべき「嵐-カタストロフ」を察知/幻視する男のイメージだが、つまりここでは「見ること」が本作において重…

桃をいつつつかむ法

日付が変わるころまで今月中におわらせたいテキストをのろのろと書きすすめていたところ、先日だしたコンペの結果がメールでとどいており、ひさしぶりの「落選」を経験する。わたしはコンペにだしたあといったれやったれと調子に乗りがちなので、手痛い打撃…

びびたるタルタル

目覚めると、汗をかいている。季節は5月。これからさらに暑くなっていくというのに先が思いやられる。わたしは暑さよりも寒さを好む。富野由悠季『機動戦士ガンダムZZ』5-10話。5話「ジュドーの決意」で見られるようなZとゲゼによるモビルスーツ・ボクシング…

オン・ザ・グレイヴの夕餉

高校時代の友人がいんすたをフォローしてくれてなつかしいきもちになったのをきっかけに、そういえば去年だか一昨年だかに同窓生と同じ名前のひとが逮捕されていたのを見かけたんだよなとあらためてしらべてみると、それはやっぱりわたしのよくしったひとだ…

ザラ紙を踏む足の本数

今日の料理、ニラ玉スープ、豚トマト玉ねぎキャベツのニンニク醤油炒め、笹かまにチーズとかつぶしをのせて焼いたもの。うまし。自主制作のいちにち。グラフィックのほか、詩も書く。現在デザイナとしてかかわっているふたつの媒体に掲載の予定があり、未発…

飛ぶ夜警

富野由悠季『機動戦士Zガンダム』43-最終50話。最終5話あたりの苛烈さにダンバインの終盤を思いだした。これまで長らく活躍してきたひとびとが、バタバタと宇宙に散っていく。46話「シロッコ立つ」の戦況の複雑化・思惑の交差はいよいよ物語がおわるぞ!とい…

ものaを見ればものxが書ける

ラジオ、問/雑談の比率が高いとぐにゃぐにゃ話がうごいてよいと思いました。ブログでも以前触れましたがバンド/フェスのホモソーシャル性について、放送後についったでも電話でも反応があって、波が立つ話なのだと思いました。かつてわたしは女性専用車両…

魔球キャッチandラナウェイ

顎関節症は猫背も原因と聞き、わるい姿勢でPC作業をしているとなるとまで書いてあって完全にそれだとしごとをしている際には背筋をのばす癖をつけているのですが、長年の習慣で身についた体勢のゆがみはなかなかなおらないもので、背骨にまで痛みを感じてい…

臭気とデンドロ、とてちんしゃん

鶏ももとにんじんに塩胡椒をふり、赤ワインと醤油を煮詰めて朝食。コンロから炎を立てていると、妹が火事になるぞと蔑視の眼でこちらを見ている。肉をひと切れやると大人しくなった。跳ねた油を拭く過程で親指をやけどし、ティッシュにくるんだ氷を患部に当…