2021-01-01から1年間の記事一覧

天ちゃんの着脹れ

ちいさな頃からそうされていたのだろうと思わせる身の熟しで跳ねて、指の先を枝垂れのふくらみに引っ掛ける。童話の挿絵めいた所作だと、画面から目を離してから考えた。だから、そう書いた。吾妻はこれを読んでどう思うか。そこまで考えた。だからといって…

もう一回光ってもいい?

アガンベンの話を同人会議でしているので、ちゃんと読むべえと枕もとに所持している本をあつめる。訳者の書いた概説書1冊含め、5冊ある。それぞれバラバラに読んではいるが、会議の最中、容易に話せるほど自分のなかに彼が存在していないので、まずは書くこ…

カナシーは沈着する(ではあなたは?)

部分的なハードワークはいいが、全体的なハードワークはしたくないなと思った。個別的ないそがしさは望むところだが、総体的ないそがしさは勘弁してほしい。結果的に細部に時間がかかるのはどんとこいだが、慢性的に時間が費やされるのはお帰り願いたい。苦…

人生はすごくさびしい

生きかたの理想がある。将来は何になりたい?と大人たちは子供に聞くが、いまのわたしは「何」よりも「どう」のほうに関心が向いている。自己啓発本みたいでいやな言葉の用いかただ。whatよりもhow。書いていてうるせえ、しゃらくせえとなる。だが、10代の頃…

固有名のはげしさ

ちほちほ『みやこまちクロニクル』18話、毎話そうだが、とてもいい。介護が必要となった老父の大便を拭くシーンが描かれていて、わたしも自身の祖母に対する経験をかさねて、しんみりと(?)したきもちになった。「正社員からドロップアウトした東北の実家…

衣服の中絶

しらぬまに寝不足になると脚に蕁麻疹がでるようになっている。腫れが身体のバロメータとなって体調がわかる。ポジティブ。かゆい。友人の晴れの舞台に行きそびれる。武道館。地理的な遠さは、そのへだたりぶんの時間と金銭のおもさをうちに含ませている。そ…

題名

アンパンマンのキャラクターデザインが好きだ。名前が形象そのままなのもいい。こどものこころをゆさぶるちから。www.anpanman.jp gifがかわいい小雨降るなか買いだしへ。とにかく救われたい、許されたいと願いながら、ひき肉のパックをカゴのなかへ入れる。…

なんだかもうおひらきのムードで

アップルミュージックで流れてきた双葉双一の「割れもの」がめちゃくちゃいい。デヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』(1990-1991)1stシーズン最終7話をおわりまで。いや、おわらんやん!!というツッコミ。ええー!って声がでるほどのつぎへとひっぱるお…

ダブルドット/シャット・ダウン

朝、豚しゃぶの残り汁で卵雑炊。うまい。ここのところ抑鬱傾向にあるが、フライヤーへの賛辞によってすこし元気になる。こうやって言葉や反応がダイレクトにとどいてくるのはSNSのよいところだと思った。心底ありがたいきもちになる。ワクチン2回目。医者の…

ミャーの存命を乳房に刺青する

明確に寒い。居間に入ったところで意識せずに「寒い」と言葉が口からでたことで、それをしった。出勤する妹を見送る。何も浮かばんなあと思いあぐねていたテキストにいざとりかかると、手が勝手にアイデアを引きこみ、スラスラ、とまではいかなかったがしま…

ぽぽぽぼ

村瀬修功『閃光のハサウェイ 』(2021)。同じく村瀬が監督を務める『エルゴプラクシー』がこれまで観たアニメのなかで五指に入るほどに大好きな一方、伊藤計劃原作の『虐殺器官』はあんまりだった(小説はラブです)にんげんですが、これはサイコーでした。…

犬と骨

実家の犬が生き返った。享年二十で死んだから、死ぬことなく生きのびつづけていれば今年で五十になっていた。が、当然のごとく生きのびつづけることがなかったので、いま電話の先で吠え立てているジョニーは、いま、まだ、二十歳のままだ。生まれたのはたし…

fixed a pool, tutorial needles

出渕裕のロングインタビューを読む。媒体特性のことを考える。原稿のなかでも触れられているが、だれしもが他者の検閲なしに文字をパブリッシュできる時代であることと、事実上「紙幅」の存在しないインターネット空間について。精度や密度の高いテキストは…

かしこい足並み

同人誌の2号を発刊。しらないひとにとどいてほしい。SNSをひさびさに稼働させる。干刈あがた『十一歳の自転車 物は物にして物にあらず物語』、1編読む。夜、にんにくきかせた鶏と蕪のスープ、ねぎのせ三角揚げを焼いたもの。同人会議。ぶじ刊行できたことを…

同速の口笛

ようやく芽生えたがんばろうと思うきもちを、どのようにして枯らさずに守ってやれるか。朝倉かすみ『てらさふ』を6章のあたままで。起承転結でいえば転の域。そっちにころぶんだーとたのしくなる。デヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』(1990-1991)シー…

ぜんぶ元気のもんだい!

デヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』(1990-1991)シーズン1序章。2、3年前に冒頭をNくんのスマホで肩を並べながら小田急線の車内で観た記憶がある。ひなびた国境沿いの田舎町にて、ひとりのティーンガールの死体が発見され、だれが彼女を手にかけたのか…

パワー粒

【特報】 pic.twitter.com/POiMdbEXiC— 排気口 (@haikikou02) 2021年11月1日 排気口の特報を見る。ワクワクが募る映像と楽曲。あらすじを書き上げたら変えようかなと思っていた仮コピーが採用されていて、ちょっとくすぐったいきもちになる。アドビを更新す…

裏拍で数えた犯罪の見返し

人生がめちゃくちゃにかなしい。精神はそこまで落ちていないが、とにかくかなしい。沈みかたがやばい。かなしくなりたくねーーーー。夜、豚キムチ。フライパンから具材が足の甲に飛び、火傷する。ほんとうにどうしようもないなと思いながらこの1ヶ月半書きつ…

にんげんのセイカツ

天皇制はもちろんなくなればよいと思っていますが、佳子眞子の抱擁には心がうごかされるものがありました。保坂和志が「残響」で書いていた雅子の心情にも通ずるエモーションがあります。映画化決定、と安易に口走りそうになるわたしがいます(じっさい、同…

まあるいナイフを突き立てる

夜更けまでベッドに起きて転がっていると咳の前兆があらわれる。長い時間起きていると肺の負担が限界を迎えるのだろうか。小雨の降るなか市民税と保険料を払いにでかけ、すぐ数日後にあるアドビの更新料のことを考えて精神がおわる。にっちもさっちもいかな…

寝かせつけるたましい

町屋良平「ホモソーシャル・クラッカーを鳴らせよ」。ブラック企業に勤務するなかで身体と精神を崩壊させていくふたりの男の話で、その渦中における社会-会社構造に対する入念な思弁が、そのまま作品の魅力としてあらわれている。地べたを這いつくばるような…

光るバール/爪のこんにゃく

プリキュアぴあとFebriのプリキュア15周年アニバーサリーブックを読みかえしていて思ったのは、前者の手抜き具合だった。テキストにやる気がなさすぎる。これはプリキュアコスチュームクロニクルでもそうだったが、たいしてファンでもないにんげんが編集をや…

泣いちゃう素振りのあんみつ会議

引き続きプリキュア映画マラソン。大塚隆史『映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆虹色の花』(2011)。えりかの便利さよ、と思ってしまう随所での活躍ぶりにわらう。これは今後のクロスオーバー作品でも見られることだが、来海え…

アミダ・クライシス

プリキュア映画マラソン。松本理恵『映画 ハートキャッチプリキュア 花の都でファッションショー…ですか!?』(2010)。シリーズ異色の傑作。テイストをこれまでと一転させ、「お子さま」というよりも「ちょっと大人」向けに仕立て上げている。砂漠の使徒・サ…

襲撃の静物

返さなくてはいけない連絡が複数個たまると、たちまち精神がおわる。タオルまるめちゃお『呪殺連』を読む。おもちろい。学園モノのやつもこないだまとめて読んだけれども、キャラの愛らしさがすごい。「大人ぶる幼さ」のかわいさ。コミティア行きたいなとい…

誤入と倍出

富野由悠季『機動戦士ガンダムZZ』23-26話。いつぶりだ?というくらいひさびさの富野作品マラソン再開(会)。14-22話に関してはここで何か書くこともしていなかったので、ここでまとめて書いておこうと思ったが、メモ書きがどこかへいってしまったので頓挫…

その表明を黙ってやれ

会議がおわったあと、話にでてきたアリムラというひとのブログを読む。おもしろい。お気に入りに入れる。過去から順にぜんぶ読むことにする。たまにやっているプチ断食明けであたまの回転がおわり、半日ほどぐったりする。断食するにしても、水ぐらいちゃん…

ベタ塗りの海に複数の頭部を埋める

今村夏子『星の子』を読みはじめる。妹が梅流しという料理を炊飯器でつくり、食べる。うまい。ひさしぶりに他人の料理を口にした気がする。ほか、素麺チャンプルーをつくる。具材はそせじ・茄子・ピーマン・チーズ。姜葱醤ベースで味付け。うまい。カスのよ…

ちょうほうの類ですか?

無限再生で「いかれたBaby」の原曲をはじめて聴いたがめちゃくちゃによく、そのまま『空中キャンプ』を再生した。日本のおしゃれインディーの祖なのだなとおもった。祖ではないか。ヨルゴス・ランティモスの『アルプス』をジャイホーで観ようと思っていたの…

ガゼル、泣いてる

夜、ほうれん草と鶏もものにんにく醤油炒め、長ネギとトマトのチリスープ。ムージル『三人の女/黒つぐみ』に手をつける。まだ数頁しか読んでいないが好きな文体。読みすすめるのがたのしみ。岸田賞の選考委員に支払われる選評の原稿料こみの賃金が5万円とい…