2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アントン・ルシェーの冒険

穴ぐらの奥深くからひびくおそろしい唸り声は、アントン・ルシェーのなけなしの勇気を打ち砕くにはじゅうぶんすぎた。やっぱりやめておこうと引き返そうとする彼を、後ろに立つロイ・バージェスは怖気づいたのか?とせせらわらって挑発する。なにかいい返そ…

ぱちくりモードの伝統芸

ちかくのアパートのベランダには洗濯機があり、そいつは脱水するときにすさまじい音を立てて回転する。半分ぶっこわれているのか、あまりにもはげしくなった場合はバキバキと破砕音をとどろかせて途中で停止する。うちの洗濯機も古くてうるさいが、ここまで…

夜霧のつらなり、人家のあかり

ひたすら書いてる。これを。詩でも小説でもなくてこのテキストを。いまは4/21の2:26。あっぷしていないテキストがこれを含めて7本、執筆途中のも含めれば8本ある。だれにも読まれていないというのに、いったい何に駆られて書いてるのだろうか。このブログは…

ひと目見てからずっとずっと

マスクをしていないことでしらないひとから怒られたりするのも時間の問題ではという気がしている。そのときわたしはその相手に生権力がどうだのいう? いわない。いわないね。この「街でめんどうごとに巻きこまれたくなさ」はひじょうによくない主観性だと思…

駆け足の夏(ノーソックス

3時半ぐらいまで友人たちとライン通話をする。通信制限下でも問題なく、そして驚くべきことに絵チャを同時起動してもなんとかなることがわかり、いい気分になる。今後は通信制限になってから通話しよう。みんな元気そうである。話をしながら、『なにかもちが…

応答しない姉たち、あるいはフルーツバスケット

6*冊目、絲山秋子『逃亡くそたわけ』。講談社、2007年刊。単行本は文藝春秋社より2005年にでている。福岡の精神病院を衝動的に抜けだした男女2名、やぶれかぶれのキチガイたちによる晩夏の逃避行。車をひたすら南に走らせながら、目についた畑の作物をむさぼ…

排除の作法

マスク不着用者を排除しはじめたカルディの横暴にわれわれは断乎抗議する! これはアイロニーが伝わらなくて誤解を生んでしまいそうだなと自粛したついーとです。だがじっさい、この「安心」(けっして安全ではない)のための作法は監視社会の強化であり、息…

記号のマニピュレーション

すべての思想は「とりあえず」のものである、という立場に立つ。つねに未完成であり、不完全であるということだ。「絶対的権力は絶対的に腐敗する」(ジョン・アクトン)でも「スローガンを与えよ。この獣は、さながら、自分でその思想を考えつめたかのごと…

架台の柱頭

隣人が朝の5時から活動をはじめるタイプでつらい。そろそろ寝ようかなと思ったころあいに起きだしてくる。声のひびきからしてたぶん夫婦なんだな。いや夫夫か? それとも階下のひとなのか? 区別がつかない。カラオケパーティベトナム人たちがなつかしいよ。…

痛覚残留交流選手

なんだかんだ週にいちどは街へでている。昨週、映画館が閉まる前に、といっしょに映画を観に行った友人と、今日は書店へ連れ立ってでかけた。いよいよ書店も閉まってしまうのである。つらすぎる。それなりに混雑した店内をしばらくうろうろし、戯曲を2冊(フ…

あくび風、既決!

スーパーにでかけるくらいしか外にでなくなったので散歩すんべえかと思い立つ。わたしの家の周囲には徒歩40分圏内にそれなりにおおきな公園がふたつあり、なおかつどちらも草木や花が生い茂っているタイプなので植物ラバーとしてはサイコーなのだがどちらも…

生活の縮小先鋭化

家賃のでかさがどう考えても足をひっぱっている。給与が上がらないのだから、出費を下げるしかないのに、いつまでこんな無駄金を払いつづけるのか? たとえば5万円台のところにでも引っ越せば、imacをアップルローンで買って、さらにwifiを開通してもお釣り…

向かい合った2脚のスツール

これは髭を剃って4日目から5日目のあわいに記述しているが、この期間、つまりは髭が皮膚から顔をだした、ひじょうに毛がみじかい状態における肌の乾燥がすこぶるひどい。とくに、密度の高いぶぶんはボロボロである。化粧水も乳液も、剃刀によってなんども痛…

ぽっぽろ涙がこぼれてく、

数年ぶりに髭をすべて剃り落とした。出社が制限されているために、社会との闘争の意味づけが薄れてしまったからである。鏡を見て、わたしはこんな顔をしているのだなあとへんなきもちになる。しばらくかけて、髭はこんなふうに生えるのですよという過程の組…

やらかい花びら、いちまいにまい

3冊目、本谷有希子『静かに、ねぇ、静かに』。講談社、2018年刊。それぞれSNS/インターネットをギミックにした3本入りの短編集。1本目の「本当の旅」を事前に演劇作品として鑑賞しているが、そのサイテーだった舞台版がかき消されるほどに本書はおもしろか…

甲羅から縄

映画館が空いている。ファーストデーだというのに、平日昼間というのもあるだろうが、座席がスカスカだ。快適だ。街はそれなりにひとが出歩いている。退勤時間ともなれば駅には混雑の気配さえただよう。 先日書いた牡蠣のオイル漬け、しみわたるのを待ち、ま…

ネオンインディアンていい名前よね

2ndだけもってるわ。カット・コピーとかそんな雰囲気あるわよ。どっちもユニオンで中古のを買ったわ。新宿のユニオンの一階がカフェに変貌していてびっくりしたわ。ジャークカーブのインストアもここでやってたわね。いけなかったけれども。わたしは今日、焼…

切りだされた余命

あなたはあと1ヶ月で死にますとなったら、しごとなんてすぐに辞めて自らの作品を残すことに全力を注ぐだろうと思う。何に自分の人生を懸けたいかといわれたら、やっぱり作品なんだな。いまのしごとは自分にとっての作品になり得ないんだよな。それが問題なん…

まあるいひかりを浴びている

在宅勤務が命じられた。己の欲望のままに翻訳すれば本を読めということだ。本棚を埋め尽くす積み本をくずしてゆけということだ。ということでしばらく読書ブログとして魂を入れ替え、読むことに本腰を入れてゆくことにする。いや、中腰くらいかも。ていうか…