乱交する街

劇場でははるばる遠方からやってきたBちゃん夫妻やTさんなどに挨拶をしつつ、雨脚がつよまるなかを小走りにIくんとサイゼリヤへ。IくんがKとやっているラジオの話や、さいきん触れているというAIの話などを聞きながら、今日は二次会ないしな、とデカンタのワインをガブし、すっかり酔っ払う。が、前回これで記憶を失っているので、ちゃんとセーブする。Iくんは今度小説を書いて即売会に参加するようで、その報告をうれしく思った。文芸サークルの友人たちのうち、いまだにものをつくりつづけているひとらはもうほんとうに少数で、だからこそ、こうやってまだ「やっている」ひとがいることがかなりはげましになる。解散し、あとは帰るだけのタイミングで撤収作業をおえたHさんから連絡があり、劇場に閉じこめられたりしながら合流し、おつかれさまでしたと挨拶をする。のち、移動したりなんだりしつつ、解散する。

永野護展に行く予定だったのだが、会期は昨日までだったということで、長らく行きたかった東映アニメーションミュージアムへ。コロナ真っ盛りの時期にその存在をしり、当時は予約が必要だったためになかなか足をはこべなかったのだが、いつの間にかその措置は解除されていたのでようやく。東映アニメーションの1階に常設されてあるので、ここでプリキュアがつくられているのか、、の感動がまずあった。プリキュアコーナーでは昨日放映があったばかりの最新話のスチルが展示されており、そのスピード感におどろいたりもした。目玉である全プリキュアのボードの前で写真も撮り、これまたプリキュアファンにとっての聖地のひとつであるT・ジョイSEIBU大泉をチラ見したり、その階下のゲーセンでUFOキャッチャーに硬貨を吸いこまれたりしながらバスに乗って吉祥寺へ。

一日と百年をまわり、ポール・ヴィリリオとステファン・エセルの本を買う。のんき、というお店にも行ってみたかったのだが閉まっていて入れなかった。時間に余裕があればバサラブックスにも立ち寄りたかったが後ろに予定があったので素通りし、またバスに乗って的ラジオの収録へ。キッチンに立ち、春菊と卵と何か(椎茸だっけ?)の炒め物をつくって同人のみんなと食べもした。Oは生姜ごはんを炊いてくれた。広いキッチンで料理できるのはうれしい。複数名でのラジオは不慣れだが、まあなんとかなったのではないか。公開はおそらく5月? おたのしみに。ラジオのほか、ハラスメントをめぐるもろもろの話題にもなり、知見を深めた。SNSの時代における「後処理」ってマジでむつかしすぎないか?

HQハウスにもどるとTとMさんがおり、乾杯する。Tはわたしより年齢が上だが学年はいっしょであり、HさんQさんは年齢は同じであるが学年は上、4人のなかではTが最年長という構図で、わたしは学年基準で敬語が発生するタイプのにんげんなので、Tをどついたりしているわたしのすがたが新鮮だとHさんQさんがわらっているのがおもしろかった。さいきんのおもろ漫画をすすめたりすすめられたりしつつ、たのしく夜を過ごした。TとMさんというなかなかない組み合わせなのも新鮮でよかった。

銃弾で撃たれ、歯がぽろぽろ抜けていく夢を見た。

寝坊。まあいいかの気分でHさんとインドカレー。お気に入りのニットの袖をサラダにかかっているオレンジ色のソースで汚し、テンションだだ下がり(食器洗剤をつかったりなんだりしたらちゃんと落ちた、ピース)。ドデカナンがでてくるカレー屋はかなりひさびさな気がする。マトンとダル。うまい。サーブされた時点ではナンおかわりしたるぜ!のきもちだったが、半分くらい食べたあたりでむりだぜ!になっていた。デカすぎる。

横須賀へ。遠すぎる。横殴りの風雨にぶちのめされながら、ジブリ展に行くであろうきゃあきゃあ声を上げるガールズたちとともに海辺の道を美術館に向かって行進する。せっかくの海辺だし、あたりを散歩したいと思っていたのだが、それどころではない大時化である。

わたしのお目当てはジブリ展ではなく、「日本の巨大ロボット群像展」。鉄人28号を起点に、マジンガーZゲッターロボガンダムガオガイガーなど、日本の巨大ロボットの歴史をたどりつつ、そのリアリティを解剖していく展示構成。原寸大のガンダムが平面状態で床や壁に設置してあるインスタレーション(?)と、アニメのひとコマをレイヤーごとに分解して展示するスタイルの展示物がおもしろかった。


▼こんな感じ


展示としては富野展の方がおもしろかったな、という印象なのだが、展示室をめぐっていると、あらためて自分はロボットが好きなんだなというじっかんが湧いてくる時間があった。スタジオぬえ宮武一貴によるコンバトラーVマジンガーZライディーンが立ち並ぶ巨大絵画は、もはやわれわれにとっての宗教画ともいえるような風格を帯びていた。

展示を観おえたあとは建築をながめつつ、図書室へ。美術館に併設してある図書室は、だいたいどこも空いていていいんだ。「荒野のグラフィズム」展のカタログをめくっていると、谷川俊太郎の寄稿文のなかで「理想の朝」を問われた際に「(そもそも)朝は嫌いだ」と答えた粟津潔が描写されており、おもしろかった。ねむい、寝ていたい、というような文言もあり、わたしも睡眠派のにんげんなので、そんなところまで信頼できる!とうれしいきもちになった。