いちどもふりかえることのない思いでにすがって生きているひとの背中

パルコをうろつき、ポケセンで誕生月を祝われたり(ブーケをもっていたら店員が声をかけてくれてポケモンに祝ってもらえますよ!と教えてもらったのに声をかけてもらえなかった、かなしいね)、TWO FACEを試着したりしたのち、シネクイントホワイトでヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』。おもしろかった。マイベストランティモスである『籠の中の乙女』のような趣もありつつも、それがかなりエンタメしていて、観る前に心配していた長さはまったく感じなかった。ベラのファッションがファティマみがあって、行きそびれてしまった永野護展成分をここで代替摂取した感じがあった。ここで試みられているフェミニズム的なストーリーラインについて観おえたあとに何か考えていた記憶があるが、これを書いているいまはもう薄れてしまったので感想はおわり。封切りからかなり時間が経っているはずだが、満席だった。

リズム&ブックスなどをチラ見しつつ、下北沢に移動してK先生とカレー。向かう駅のホームでばったり遭遇し、わらった。KALPASI。バチバチに美味だった。少々並んだが、十二分にその価値がある味。とりわけポークビンダルーが圧倒的うまだった。つぎ来るときはジェラートも食べたい。いっしょにやっていたワークのおもしろ裏話なんかをしつつ、喫茶店に移動し、さいきん観た展示だったり映画の話などカルチャートークで盛り上がる。いつもごちそうになってばかりだったのでお茶代ぐらいはとかえすことができる。

帰ると、A、Nちゃん、Kさん、Hさん、Qさんが飲んでいたので混ざる。Kさんとは前回の公演の打ち上げ時にハグをしたそうであるが、まったくおぼえておらず、その喪失した記憶を挽回するかのようにロボットの話で盛り上がる。ザンボットやトップをねらえ!の話がひととできるのがうれしい! 途中、公演後のスペースとインスタライブも挟みつつ、遅くまで飲酒する。「だれかのつくっためしがうまいのと同様に、だれかのかける名曲もいい」とたしかQさんが言っていて、いいこと言うなあと耳を傾けていた。

Hさんとリベンジ寿司。藤沢の寿司もおいしかったが、銚子丸の寿司もうまいのである。内装が変わっており、親しかった(?)おじちゃん店員がいないのが気になった。

渋谷に移動し、シネクイントで三宅唱『夜明けのすべて』。よかった。年間ベスト級。卓球をするシーンの時点でボロボロ泣いていた。ああ、この映画は主人公たちを囲む登場人物のそれぞれにバックグラウンドがある、ということをしっかり描くんだ、と感動していた。だれかを失ったかなしみを何年も抱えているひとたちが、笑顔でピンポン球を打ちあっている風景の尊さ。そこで打ち返されているのはボールだけではない。心の通いがアクションとして描かれているのだ。なんてすばらしいんだとなみだが止まらなかった。

山添くんがチャリで街を走っていくシーン(藤沢さん宅からの帰り道だったかな?)。カメラが寄りになり、映画(-ドラマ)のリズムとしてもこのあと何かかなしい出来事が起きるのではないか?と思ってしまう時間があったのだが、それが起きない。わたしの心配をよそに、公園を大きくぐるーっとまわって自転車はかろやかに走っていく。この一連のシーンもかなり印象として残っている。劇的な何かがそこで描かれているのではないのに、そこで何かが乗り越えられた、と感じる。巧みな撮影・編集・構成だと唸った。映画ってほんとうにすばらしいな!というよろこびがあった。



何年ぶりかわからぬほどひさしぶりにmoscotへ。いろんなフレームを試しつつレンズ交換をする。視力のおわりは前々から感じていたので、目が見える!と感動する。

ル・シネマにて望月智充海がきこえる』。かなりの大入り。上映前にざわめきがある客層で、それだけでたのしい気分になる。むかしゆーちゅーぶに上がっていたMADを観て以来気になっていた作品で、スチルにも惹かれるものがあり、もしやマイベストジブリを塗り替えるのではとかなり期待していたのだが、そんなことはなかった。ささくれ立っているヒロイン、はマジでいいのだが、その牙がいとも簡単に抜けてしまうのに対してなんでだよ!となってしまった。おれには海がきこえなかった(サイドバイサイドの男ふたり、海をながめるシーンはサイコーである)。フレーム内フレームをつかった演出も「思いで」感がマシマシでひじょうによかった。


▼MAD、再アップしているひとがいた、めちゃくちゃいいよな、、
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新宿に移動し、えっちゃんラーメン。にて中華そばを啜ったとあとは十月へ。店主のKさんと談笑しつつ、ビールと焼酎を飲む。前々から話にきいていたMさんが途中やってき、ようやく初対面できる。ちょうどMさんが企画したという展示の話をしていたところだったので、めぐりあわせというのはつよいなと思う。話しているといろいろと共通点(?)のようなものが見つかり、たのしい時間を過ごす。閉店まで残り、Kさんといつものバーへ。マスターはわたしの好みをおぼえていてくれ、弱めのやつを、というオーダーでたいそうおいしいハーブ系のカクテルをつくってくれた。うれしい。

家に帰ると、Y、Nちゃん、Oくん、Sさん、Hさん、Qさんがすでにしあがっており、主にHさんのおふざけを聞きながら夜が更けていった。

起床し、Hさんとリビングでダラダラしていると、すでに出勤していたかと思われたQさんがのっそりと起き上がってくるではないか! うれしいサプライズによろこびつつ、3人でカレーを食べに行く。荻窪はすぱいす。うまし。みんな大盛りで頼んだのだが、想像以上の盛りで、なかなかたいへんだった。食べている最中、牛すじカレーはあまり相性よくないかも!と思ったので、次回はべつのメニューを頼もうと思った。脂身がきついからだになってきている。

改札前まで送ってもらい、新宿で土産などを買い帰路へ。ポモロジーの焼き菓子、おいしいよね!