2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

犬と骨

実家の犬が生き返った。享年二十で死んだから、死ぬことなく生きのびつづけていれば今年で五十になっていた。が、当然のごとく生きのびつづけることがなかったので、いま電話の先で吠え立てているジョニーは、いま、まだ、二十歳のままだ。生まれたのはたし…

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出渕裕のロングインタビューを読む。媒体特性のことを考える。原稿のなかでも触れられているが、だれしもが他者の検閲なしに文字をパブリッシュできる時代であることと、事実上「紙幅」の存在しないインターネット空間について。精度や密度の高いテキストは…

かしこい足並み

同人誌の2号を発刊。しらないひとにとどいてほしい。SNSをひさびさに稼働させる。干刈あがた『十一歳の自転車 物は物にして物にあらず物語』、1編読む。夜、にんにくきかせた鶏と蕪のスープ、ねぎのせ三角揚げを焼いたもの。同人会議。ぶじ刊行できたことを…

同速の口笛

ようやく芽生えたがんばろうと思うきもちを、どのようにして枯らさずに守ってやれるか。朝倉かすみ『てらさふ』を6章のあたままで。起承転結でいえば転の域。そっちにころぶんだーとたのしくなる。デヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』(1990-1991)シー…

ぜんぶ元気のもんだい!

デヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』(1990-1991)シーズン1序章。2、3年前に冒頭をNくんのスマホで肩を並べながら小田急線の車内で観た記憶がある。ひなびた国境沿いの田舎町にて、ひとりのティーンガールの死体が発見され、だれが彼女を手にかけたのか…

パワー粒

【特報】 pic.twitter.com/POiMdbEXiC— 排気口 (@haikikou02) 2021年11月1日 排気口の特報を見る。ワクワクが募る映像と楽曲。あらすじを書き上げたら変えようかなと思っていた仮コピーが採用されていて、ちょっとくすぐったいきもちになる。アドビを更新す…

裏拍で数えた犯罪の見返し

人生がめちゃくちゃにかなしい。精神はそこまで落ちていないが、とにかくかなしい。沈みかたがやばい。かなしくなりたくねーーーー。夜、豚キムチ。フライパンから具材が足の甲に飛び、火傷する。ほんとうにどうしようもないなと思いながらこの1ヶ月半書きつ…

にんげんのセイカツ

天皇制はもちろんなくなればよいと思っていますが、佳子眞子の抱擁には心がうごかされるものがありました。保坂和志が「残響」で書いていた雅子の心情にも通ずるエモーションがあります。映画化決定、と安易に口走りそうになるわたしがいます(じっさい、同…

まあるいナイフを突き立てる

夜更けまでベッドに起きて転がっていると咳の前兆があらわれる。長い時間起きていると肺の負担が限界を迎えるのだろうか。小雨の降るなか市民税と保険料を払いにでかけ、すぐ数日後にあるアドビの更新料のことを考えて精神がおわる。にっちもさっちもいかな…

寝かせつけるたましい

町屋良平「ホモソーシャル・クラッカーを鳴らせよ」。ブラック企業に勤務するなかで身体と精神を崩壊させていくふたりの男の話で、その渦中における社会-会社構造に対する入念な思弁が、そのまま作品の魅力としてあらわれている。地べたを這いつくばるような…

光るバール/爪のこんにゃく

プリキュアぴあとFebriのプリキュア15周年アニバーサリーブックを読みかえしていて思ったのは、前者の手抜き具合だった。テキストにやる気がなさすぎる。これはプリキュアコスチュームクロニクルでもそうだったが、たいしてファンでもないにんげんが編集をや…

泣いちゃう素振りのあんみつ会議

引き続きプリキュア映画マラソン。大塚隆史『映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆虹色の花』(2011)。えりかの便利さよ、と思ってしまう随所での活躍ぶりにわらう。これは今後のクロスオーバー作品でも見られることだが、来海え…

アミダ・クライシス

プリキュア映画マラソン。松本理恵『映画 ハートキャッチプリキュア 花の都でファッションショー…ですか!?』(2010)。シリーズ異色の傑作。テイストをこれまでと一転させ、「お子さま」というよりも「ちょっと大人」向けに仕立て上げている。砂漠の使徒・サ…