光るバール/爪のこんにゃく

プリキュアぴあとFebriのプリキュア15周年アニバーサリーブックを読みかえしていて思ったのは、前者の手抜き具合だった。テキストにやる気がなさすぎる。これはプリキュアコスチュームクロニクルでもそうだったが、たいしてファンでもないにんげんが編集をやっているようにしか思えない。愛がない。長峯達也と馬越嘉彦の対談で〈大事なのは「熱」なんですよ〉という発言があったが、それが見えない。いや、べつにファンでなくてもいいのだが、しごとは手を抜かずにちゃんとしてくれよと思ってしまう。

小川孝治『映画 プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち』(2013)。オールスターズ映画ではいかにして新たな切り口をつくりだすかということが毎回試行されているように思うのだが、本作は妖精たちに焦点を当てる形式をとっていて、新鮮だった。本作の舞台は妖精たちの学校となっていて、過去のプリキュアたちの活躍の歴史と、ミラクルライトの説明を講義形式で紹介するというスタイルもいままでに見られないもので冴えていた。花畑をキュアマリンキュアブロッサムに、太陽をキュアサンシャインキュアムーンライトに浄化させるなど、その場その場に意味性をもたせる演出もひかっていて、とりわけ悔悛の場面において、かつてプリキュアに敵対していたキュアパッションキュアビートに諭させるのには感動した。ほか、「たのしくないことはやめちゃおう!」と「ジコチューはダメ!」が同じキュアハートの口から発されるのがおもしろかった。

伊藤尚往『映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!? 未来につなぐ希望のドレス』(2013)。プリキュア流血シーンの衝撃。冒頭からプリキュアたちが恋愛・結婚の話をしている!とおどろいていたが、それを遥かに上回るショックを受けた。というか、その場面があまりにもつよすぎて、ほかの箇所の印象が薄くなってしまった。「思い出の国」という舞台は、スマプリ映画の際に述べた「忘れる→思いだす」の構造をなぞっている。


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夜、鶏と厚揚げと長ねぎのみぞれ煮。輪切りの大根も入れる。うまい。生姜味。

ピロウズの「雨上がりに見た幻」の英題が「Hybrid Rainbow After the Rain」でしびれた。

小川孝治『映画 プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち』(2014)。NewStageシリーズの最終作。DXシリーズにおいては1・2・3がそれぞれ独立した作品として描かれていたが、本作はNewStage2の展開を引き継ぎながら、NewStage1のキュアエコーも再登場するというアツい展開が描かれる。1と2において成長したゲストキャラクターが、プリキュアと妖精というかたちで出会うことのアツさはすごい。これまでハブられていたEDのダンスシーンにもちらっとエコーが登場するのにも胸を打たれた。本作では「過保護」がプリキュアの前に立ちはだかる概念としてでてくるのだが、子供向け作品で扱うには打ってつけのテーマだと思った。いっしょに観にくるであろう親にも突き刺さる物語。本作でうごいているすがたをはじめて見たが、ハピチャは好きなプリキュアになるかもしれない。

夜、おからパウダー入りミートボールのトマトソース煮。ソースは椎茸と玉ねぎ入り。うまい。

フレプリと初代プリキュアの1話を観る。フレッシュはわたしがプリキュアにはじめにハマるきっかけになった作品なので、とはいえ1話の何ひとつおぼえていなかったが、なつかしいきもちで観た。色調の不穏さみたいなのがいい。初代ももちろん世代ではあるし、当時も見てはいたのだろうがいまのような熱心さではなかった。作画のていねいさに目をみはる。電車の車窓を用いたカメラワークや、なぎさとほのかがすれ違う場面など、演出も冴えている。ここからシリーズがはじまっていたのだなと感慨深いきもちになる。いつか全シリーズ全話を完走したい。