飛ぶ夜警

富野由悠季機動戦士Zガンダム』43-最終50話。最終5話あたりの苛烈さにダンバインの終盤を思いだした。これまで長らく活躍してきたひとびとが、バタバタと宇宙に散っていく。46話「シロッコ立つ」の戦況の複雑化・思惑の交差はいよいよ物語がおわるぞ!というはげしさがあり、とくに印象的だった。この回もそうだが、振りかえってみると、鈴木裕美子脚本担当回のアタリ率が高いことに気づく。しらべてみると、アニメの分野では本作と次作ZZに参加しているほかはとくに目立った活動をしていない。ゆうき☆みすずという名で小説を書いていたようなので、いつか手にとってみたい。

カツ・コバヤシはガノタからめちゃくちゃ嫌われている印象があって、たしかにその言い分もわからないでもないのだが、Zを通して観たわたしの心に浮かんだ感想は、まっすぐに生きていていいではないかというものだった。大人の論理に歯向かいつづけて、自らの信じる正義に生きようとする姿勢を、わたしは否定したくないし、むしろ肯定したいと思った。ジオンのためにたたかえるか!という論理と意志には、一年戦争ホワイトベースに乗って生きのびてきたカツだからこそのバックグラウンドだってある。恋にうつつを抜かしてしまうところもチャーミングだ。このまっすぐさが、そのまま最期につながってしまうのは、皮肉である。

今回のおもしろワードは、ロザミアの「何でお前がファなのだ」という台詞(47話「宇宙の渦」)。強化人間として洗脳されている彼女の混濁ぶりがよくわかる、なかなか書けない台詞だと思う。何より台詞といえば、最終50話「宇宙を駆ける」でカミーユが発する「俺の身体をみんなに貸すぞ!」が白眉だろう。同様の枠組みとして、ドラゴンボールにおける元気玉は「宇宙のみんな! オラに元気を分けてくれ!」になるが、Zガンダムにおいては逆に自分の身体を死者に明け渡すのである。もうそれだけで痺れる。

全体としては、とても好きな作品で、これは富野作品のなかでもトップ3に入ってくるのではと観ていたのだが、おわってみるとそうでもないのか?みたいな感覚がある。連続して観ているからその影響もあるのだろうか? つぎはZZを観る。ほんとは逆シャアを観たいのだけれど、どうせなら1st、Z、ZZを完走してから観かえしたいよね、、

夕食の支度、豚肉とアスパラの柑橘じょうゆ炒め、ネバリスターと人参としいたけの煮っころがし、みょうが豆腐。請求書をいちまい送り、食べずに寝た。


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夜に起き、定例通話。近況の共有と、ネットプリントの同人誌をつくる話。おわったあと、そのまま寝る。

昨日つくったもので朝食。うまい。椎茸への味しみ、アスパラの甘み。食べつつ、アーロン・グジコウスキ『レイズド・バイ・ウルブズ』6-8話。Zでもそうだったが、さまざまな勢力の入りみだれ感はわたしの好きなものなんだなとわかる。裏切りあい、裏表の反転、思惑の交差。あと2話でおわるが、どうおわるのか。IMDBのユーザレビューには蛇がどうのこうのと書かれていた記憶があるが、いわゆるデウス・エクス・マキナ的なおわりかたをするんだろうか。それはそれでいい。