よみがえらない水/再煮沸

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2021年に観たりなんだりしたもののふりかえりをする。備忘録。去年はこれ

まず映画。再見作をのぞけば64本しか観ていない。今年は代わりにアニメやドラマを観ていたのだろう。劇場ではたったの5本。なぜならわたしの住む場所には映画館がないので、、以下は今年観た旧作まじりのベスト10+α。挙げているのはどれもよかった作品だが、飛び抜けた作品には1本もであえなかった。これは観た映画の記録をつけはじめた2011年以来、はじめてのこと。映画館に通えなくなったことがおおきく作用しているのだと思った。

1. エリザ・ヒットマン『17歳の瞳に映る世界』(2020・劇場)
2. 志水淳児『映画 トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』(2021・劇場)
3. 松林要樹『相馬看花』(2011)
4. 富野由悠季『機動戦士ΖガンダムⅢ 星の鼓動は愛』(2006)
5. 村瀬修功『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2021)
6. アンジェイ・ズラウスキー『夜の第三部分』(1971)
7. ブライアン・デ・パルマ『キャリー』(1976)
8. 松本理恵『映画 ハートキャッチプリキュア 花の都でファッションショー…ですか?』(2010)
9. トマス・ヴィンターベア『偽りなき者』(2012)
10. 富野由悠季『The IDEON 発動篇』(1982)

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1位の作品に関しては、ブログにも所感を書こうと思って書きそびれたままになっているので、ついーとをしようとしてメモってあった残骸を以下に貼りつけて供養しておきます。

ネバー・レアリー・サムタイムズ・オールウェイズ、顔の映画。カームな顔がくずれるときをピークとする顔の映画だ。向こうを向く、天を仰ぐ、目を背ける、正面を見据える。オータムが映りそうなところを、スカイラーの顔を撮る場面がいくつかあり、その顔のなかにふたりをつなぐ絆のようなものを見た。男のクズさの陰湿さはこちらに軍配が上がる。ひろさがない。せまさをとる。バスの車窓からみえる風景と地下鉄の車窓から見える暗闇が等価であること

こちら、とあるのはエメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)とつづけて観たからで、どちらもクソのような男たちのはざまで生きる女性たちを描いた映画である。冒頭に書かれた副詞の羅列は原題。never rarely sometimes always。ほんとうにすばらしいタイトル。邦題は正直どうしようもない。2021年のワースト邦題。

ほかによかったもの。並べてみると例年になくアニメに心を打たれていることがわかる。
アンジェイ・ズラウスキー『COSMOS/コスモス』(2015)
黒沢清『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(1985)
富野由悠季『機動戦士ΖガンダムⅡ 恋人たち』(2005)
志水淳児『映画 プリキュアオールスターズ NewStage みらいのともだち』(2012)
志水淳児『映画 プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』(2015)

つぎは音楽。レコ屋がない環境で生活しているのもあるが、盤をほんとうに買わなくなってしまった。Apple Music導入以降、音楽への熱が冷めてしまっている気がする。いや、少なくとも2020年はまだliza anneやmomma、idlesなど新譜に心躍ることがあったのだが、2021年はそういうものが少なかった気がする。今年リリースの新譜に、というわけではないがspecial interestとno vacation、やまがたすみこがとりわけよい出会いだったかもしれない。フルアルバムはでていないが、lime gardenは今年のニューカマー枠かも。ランキングはない。

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つぎは本。ブログではちらちらと書いていたものの、下半期は読んだ本の記録さえもやめていた。斉藤斎藤『人の道、死ぬと町』(2016)と多和田葉子『献灯使』(2014)の2冊をとくによかったものとして挙げていた。どちらもラジオで話したのでブログには記録はない、かと思ったがすこしばかり書いていた(献灯使人の道〜)。ともに積んでいたものをひもといたのだった。毎年言っているが、今年は去年よりもたくさん本を読みたい。スマホを投げ捨てたほうがいい。

今年は藤本タツキチェンソーマン』(2019-)ぐらいしか漫画を買わなかったのだが、来年はもうすこしかつての熱をとりもどしてみようかしらなどと思っている。チェンソーマンといえば同じ作者の『ルックバック』(2021)の単行本を年末に買い、年が明けてから読んだ。公開時に読んでいるが、やっぱり傑作だと思った。「漫画はひとのこころをうごかすことができる」。そのことを、台詞ではなく、本作自体でつたえていることのものすごさ。チェンソーマン第2部は最初から単行本で追っていこうと思った。書籍にはなっていないが、杉浦次郎『ニセモノの錬金術師』(2020-)も今年読んでめちゃよかった漫画。ふりかえってみれば、インターネットでよく漫画を読んでいたのだった。冬野梅子『まじめな会社員』(2021-)もよかったし、橋本悠『2.5次元の誘惑』(2019-)にもこころうごかされた。

アニメ。観た/観ている作品を羅列する。
[完走]
ペンデルトン・ウォード/ダンカン・トラセル『ミッドナイト・ゴスペル』(2020)
富野由悠季伝説巨神イデオン』(1980)
富野由悠季無敵超人ザンボット3』(1977)
富野由悠季∀ガンダム』(1999)
富野由悠季機動戦士Zガンダム』(1985)
富野由悠季機動戦士ガンダムZZ』(1986)

[視聴中]
田豊『トロピカル~ジュ!プリキュア』(2021)
幾原邦彦少女革命ウテナ』(1997)

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第1話がどこでも観られる時代、めちゃくちゃいいなと思います

去年に引き続き富野アニメをがっつりと観たイデオンもターンエーもZもラブな作品だが、とりわけザンボットがあたまひとつ抜けていた。オールタイムベスト10に入る傑作。ブルーレイ、買うか迷っている。2022年はトロプリ映画とブレンパワードのブルーレイボックスを皮切りに、円盤に手をだしていく年になるかもしれない。

その他。めちゃくちゃつまらなかったアーロン・グジゴウスキ『レイズド・バイ・ウルブス』(2020)で幕開けてしまったかなしみはあるが、ドラマを観るようになったのも2021年の特筆すべき出来事だ。1stシーズンを観おえて止まっているデヴィッド・リンチツイン・ピークス』(1990-2017)や、ひさびさに観ている仮面ライダーである柴崎貴行(仮面ライダーの場合は脚本の[木下半太]をクレジットすべきかか?)『仮面ライダーバイス』(2021)、つぎの戦隊シリーズである田崎竜太『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022)などをたのしみにしている。原作をずいぶん前に読んだ箱田優子/菊地健雄『ヒヤマケンタロウの妊娠』(2022)なんかも気にはなっているが、日本のドラマの画づくりに苦手意識があるので手をのばそうというきもちが薄い。シーンを追っていないのでまったくしらないのですが、画がヤバい日本のドラマってあるんでしょうか。

2022年の目あて。目あてという言葉、小学生ぶりにつかったかもしれない。そんなことはないか。

2022年はプリキュアマスターになる。ユーネクストとネットフリックスにあるプリキュア映画を観おえたあとは、テレビシリーズ全18作品(トロプリ含む)を完走したい。3週に1つ観ればいけるはずである。どう考えても無茶な目標設定だ。2021年に観おえることのできたアニメ・ドラマの数を数えてみればそれがよくわかる。だが、2023-24に控えるプリキュア20周年イヤーを万全の体制で迎えたい思いがある。さらに無理を加えれば、アンパンマンの映画も完走したいと思っている。このところ、「子供向けアニメ」というフォーマットへの関心が増している。これは「倫理」への執心でもある。的vol.2のあとがきでも触れたが、わたしがミヒャエル・ハネケ富野由悠季の作品が好きなことと通底するものがここにはある。

また、余力があれば、高校-浪人時代ぶりにリアルタイムで「深夜アニメ」にも手をのばしたいなと思っている。いや、リアルタイムでなくともアニメから遠ざかっていた2011-2020の観たかったアニメを観ていくのもいい。今石洋之キルラキル』(2013)とか、松本理恵京騒戯画』(2013)とか。ロボットアニメでおすすめあったら教えてください。錦織敦史ダーリン・イン・ザ・フランキス』(2018)とか、おもしろいでしょうか。ねぎしひろし『宇宙の騎士 テッカマンブレード』(1992)も観たい。とにかくおもしろいロボットアニメが観たい。せっかくサブスクがあるのだから、そしていうだけならただなのだから、今年もたくさん豪語していく。いうまでもないが、ダイアログのふっかつ/詩集の刊行はつねに胸に掲げている。一刻もはやく東京にもどりたい。