中間のはじめ

月末はみじかい小説をあっぷするルーチンでしたがしばらく休みます。

リンダリンダズをその属性のみにおいて侮蔑するくそどもは論外として、一様に称揚する光景に対してきもちわるさを感じてしまう自分がおり、つまりこれは彼女たちに彼女たち以外のものを代理させるなという感情なのだろうか?(あるいは音楽そのものを聴けよみたいなもどかしさ?)と自問しています。とはいえ、aにaにまつわる属性を代表させて物語を読む/消費することはもちろんわたしも身におぼえがあり、じゃあどうするのかと問われたらよくわからないのですが。ラジオで話題のひとつにしてみましょうか。

〆切のラッシュがあり、こころを忙しくしていましたが、日が変わる頃にはなんとか落ち着き、気分転換に見逃していたトロプリ13話「ドタバタ校内放送! 響け、人魚の歌!」を観ます。アバンの人魚伝説について語るローラの手の芝居がすばらしいです。スタッフのクレジットがあるエンディングはさておき、オープニングも毎回飛ばさずに観てしまうのは、細部の作り込みが見るたびに新しい発見を与えてくれるからで、こうやってリキの入ったものを見て育つことのできる子供たちを羨ましく思います。こうした作り手の意志は、意識的にせよ無意識的にせよ、ひとの感受性にぜったいに伝わるものだとわたしは思います。

そしてこれはすぐれた回だったのではないでしょうか? 校内放送を主題にしたかけあいのグルーヴと、ローラへのフィーチャーぶりが目にも耳にもたのしく、観ているあいだずっと胸が弾んでいました。脚本はプリキュアシリーズにおけるヴェテランの1人・成田良美、絵コンテはSSや5で監督をつとめた小村敏明、演出は『波よ聞いてくれ』の南川達馬という布陣でした。漫画熱の減少によって続刊を追えていない漫画作品がわたしにはたくさんあるのですが、沙村広明といえば、『ベアゲルター』の続きを読みたいなと思いました。


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海外のコンペに作品を投げる際、翻訳機の存在にとても助けられています。入選するかは置いておいて、行ったこともない国でわたしの作品が展示されることを想像するのはたのしいものです。取らぬ狸の皮算用とはよく言ったものですが、そうした妄想が生きる糧になるのも事実です。やっていきましょう。

夜、HさんとQさんと電話し、東京ショートステイの計画を立てます。画面の向こうには初対面のひともおりつつ、ハネケやアジカン、ピンチョンなどの話が飛びだします。カルチャーに交わる時間はたのしいものです。