きみのことを好きだった時代

ラジオ。前記事、前々記事で書いた映画について喋る。たったの3本しかないのだから時間は余るだろうと思っていたが、まったくそうならず、かなり尻すぼみな3本立てとなった。観たばかりの映画というのもあって、熱量をこめて話すと30分ではどうしようもないということがよくわかった。「顔」をもちいてアイトーニャと隣の影をブリッジできたのはよかったのではないか(そこから「タクシー」で地獄の警備員にも線をひっぱることができた)。こんなことでよろこぶのはどう考えてもわたししかいないので、聴者のためにはなっていない。

エッセンスだけを語る方向にシフトするのもなにかちがう気がする。一方、熱意にまかせて1本だけでおわってしまったとして、のこりの2本を次週に話すのかと言われると話さないと思うので、今日の放送のようなスタイルを、もうすこしバランスよくというのが落としどころなのかもしれない。

本気でそんなこと思っているんだろうか?という言葉に触れると、その発話者への信頼がゆらぎそうになる。これは嘘をつきたくないという話とつながっている。むろん、方便は生きにくい世をすこしでも生きやすくするための方途なので、そんなことにいちいち目を見ひらいていたらストレスで早死することになる。


▼嘘云々
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たまには着てやらないとなと思い立ち、お気に入りのコートを寝巻きの上に羽織り、郵便局へ。せんじつ役所に行ったときも感じたが、とにかく流れる時間がスロウである。こういう空気のなかで生きていけたら寿命が延びそう。

わたしが大学時代から10年ものあいだほしいと思っていたチャリことラレーのCRFがメーカーのラインナップから消え去っているのを見、言いようのないかなしみにおそわれる。なにもかも、ほしいときに手をに入れなければすぐに手に入らなくなる。

夜、牛タン、厚切りベーコンと玉ねぎのオムレツ、大根の味噌汁。うまい。牛タンは冷凍ものだが、いい部位であることがわかるやわらかうまみ肉だった。

二九地図のアイトーニャ回を聴く。フィギュアスケートというスポーツと比するものとして相撲をひっぱってくるのがマジでおもしろい。朝青龍-白鵬-トーニャ・ハーディングのライン。この物語の真偽、という点にけっこうな尺を割いているのも自分にはない視点でおもしろかった。

妹が深夜に絶叫しながらゲームをやっていてうるさい。

円がカスになってしまって、買いたいと思っていた海外ブルーレイはいつまで経っても買い時がこないし、ほしかったフォントの値段も上がる一方で泣いている。



これは2020年の11月につくったものです


自室にいれば妹の絶叫が隣からきこえてき、リビングにいれば父親がクロームキャストで再生しているまったく興味のないYouTubeの音、もしくはデカいいびきがきこえてくる地獄。

夜、俵肉団子と椎茸と玉ねぎのバター醤油バルサミコソース、長芋のかつぶし衣唐揚げ。うまい。

ラジオのためのグラフィックづくり。シーズン2でははじめての企画放送である。月1回のペースでやれればよい。つくる前から一通も来ないきもちをたぎらせながらおたよりフォームをつくり、ついでにワークのための問合せフォームもつくる。前者はこなくてもじゅうぶん尺が足りるので問題ないが、後者にはおたよりがきてほしい。年内がひますぎる。


▼編集・デザインまわりのもろもろ、お気軽にご相談ください
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オトプリ5話。ココ登場回。生徒たちに将来の夢を尋ね、「あきらめなければ夢は叶う!」を地でいくのぞみ先生を見て、Fの監督であるタナカリオンこと田中裕太の以下の発言を思いだす。

「諦めなければ絶対に夢は叶う」「頑張れば絶対に大丈夫」といったメッセージも確かに、誰かの支えになるかもしれません。ただ、現実は必ずしもそうではない。そういう厳しい部分って、子どもたちも、いずれは放っておいても気づくじゃないですか。(「「諦めなければ絶対に夢は叶う」なんて嘘は、つきたくない。『プリキュア』シリーズ、田中裕太監督の希望の伝え方【20周年インタビュー】」ハフィントンポストより)

子供向けではなく、大人向けである本作がそうした話法をとっていること。しかしその裏手では、くるみの置かれている立場である「ブラック企業派遣社員」や、チームプリキュアのあつまりがわるいことにいらだつ彼女に対して、「みんなはたらいているから*要確認」と笑みを浮かべながら述べる「小説家志望家事手伝い」のこまちといった「げんじつ」がある。シャドウに対して何もできない「大人」の彼女たちは、いちど「子供」のすがたになることを通してプリキュアに変身し、対峙する。このバランス感覚が、オトプリの秀でた点のひとつであると思う。

また、この「あきらめない」を扱う際に、たとえばのぞみがココの心情を代弁する際にそのマインドが発露するシーンがあり、すなわちそれは「誰かを想う心」によってプリキュアに変身するプリキュア論理の

3話で触れたテーブル分断に関して、今回はくるみとのぞみという変身組を離れ小島に配していて、多少の納得はいったが、のちのカットでテーブルの長さが心理的距離のあらわれでもないのにのびちぢみしているのを見て、いったい何を意図したコンテなんだ?と疑問符をあたまに浮かべることとなった。ちゃんとしてくれ!

さて、本話の白眉はなんといってもココとのぞみのやりとりである。それ単体でも破壊力のすさまじい「出会ってからずっとのぞみを想わなかった日は一日たりともない!」を受けての、涙まじりの「ココ、私も……私もね……」のきょうれつさ。5も5gogoも対してしらないわたしでさえ胸がえぐられる会話がここにはあった。この返答のあいだにはそれなりの尺の戦闘シーンがあり、そんな尺なんて数秒に思えるほどのながい「会えなかった時間」がふたりのあいだにはあり、成田良美〜〜〜〜とおれの心は絶叫していた。


▼テーブル分断について
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夜、魚粉きかせの卵スープ、ほっけの塩焼き、れんこんの素揚げ鯛だし山椒塩、きゅうり大根パプリカレタスのサラダ。うまい。