人間の迫力

さいきんはめちゃくちゃピロウズを聴いている。いつ聴いてもいい。あまりによすぎて作業の手がよく止まる。いつかワンマン行きたいなと大学生の頃から思っているが、未だに叶っていない。年末のラジオ企画に向けてベスト10を編もうとするがマジでむつかしい/加筆:これを書いていた頃は年末にやるつもりだった、年末もなにかやるかもしれないがまだわからない、ベスト10企画は明日!


▼放送URLおよびおたよりはこちらから
seimeikatsudou.tumblr.com



AE、いわゆるモーショングラフィックス的なものを扱うのはすぐさま飽きてしまって、かつて実験映画を撮るために撮っていた風景素材をつかって習作をつくろうと試みる。が、わたしのPCのスペックでは、映像編集をスムーズにおこなうのはけっこうきつそう。それとも、ハイスペックPCでもレンダリングにはすさまじい時間がかかるもの? 卒制の制作時の記憶をたどってみるが、芸術学科のゼミ室(わたしは部外者なのにまいにちのようにつかわせてもらっていた)で同窓たちとダラダラしていたイメージしかあたまにのこっていない。

整形した顔のうち、不自然さが「怖い」ではなく「惹かれる」として浮き上がってくる形状は、いったい前者となにがちがうんだろうかとプリキュアやらデザインの成果物やらおいしそうな食べ物の合間に登場してくるモデルらの顔を見て思う。そしてわたしはなにをもってその顔を「整形した顔」として判断しているのか? いんすたの話。

制作。映像の編集、おもしろくなっている。レンダリング中、購入して以来はじめてPCが唸るのを耳にし、かなりの負荷がかかっていることがわかった(同時によみがえる10年愛用した爆音系初代PCの記憶、pen4dell、dimension8300……)。メモリの使用量も見たことのない数値をたたきだしていて、わくわくした。

夜、ジャガハムチーズ、豚ときゅうりの海老塩黒酢炒め。うまい。

サウンドトラックも自作したいのでガレージバンドを稼働させる。むかしスマホで録音したベース音源を素材に、と思ったが3gpはそのままでは対応してないということで二の足を踏む。



610


浜名孝行『オトナプリキュア’23〜キボウノチカラ〜』(2023)第1話。「円環」と「迷路」をモチーフにしたアバン、そこに「時計」(S☆Sの映画だ!)がかさなっていく冒頭に、本作の描きたいことが詰まっていそうである。そもそもタイトルの「オトナ」や「'23」に時間性が含まれてあり、画面には「前作」となる5GoGoからの経年変化がつねにあらわれる。そのあらわれの象徴的な存在としてアバンにも登場する「夢」を叶えたのぞみが授業で扱うのは、NHKが本企画の出発点として考えていた「SDGs」であり、プリキュアチームの成長だけではなく、「有限」の地球が「時間」概念の背景に横たわっていることがそこでは明かされる。プリキュアチームが集うカフェバーの名前も「TIME」であるし、店を切り盛りする夫婦(S☆Sのキャラだそうだ、わたしはまだ未見なのでその感動を味わいそびれた、満薫シーンは未見でもたのしめた)はその身振りのうちに旧態的/新進的という対比構造を宿しているという徹底ぶりである。また、つけっぱなし、ポイ捨て、食べ残しといったにんげんのおこなう環境汚染が本作の「敵」を生みだす元凶となるようで、それらを扱う際に生じるであろう説教くささとの格闘も今後おもしろくなっていきそう(シリーズ構成である成田良美の脚本に対して「説教くさい」という意見をたまに見かけるが、わたしはそう思っていないので、きっとうまく料理してくれるはずだ)。プリキュアではおなじみの1話完結スタイルを取らないことも宣言され、はたして「変身」はどうなるのか?という問いは伏されたままになった。


▼S☆S映画、当時ラジオで話したのもあってブログにおける言及は少ない
seimeikatsudou.hatenablog.com


夜、レトルトスープ(かぼちゃ・コーン・えんどう豆)、帆立厚揚げ(惣菜)、赤インゲンと牛肉のトマト煮。うまい。

ひろプリ36話。たけるくん引越し回。今話からOPが映画仕様から通常モードに。スキアヘッドってもう追加されていたんだっけ? 奇しくもキボウノチカラと同様の「転校(園)/引越し」を軸にした先生と生徒(園児)というシチュエーションが展開されるわけだが、あまりにも絵コンテぢからがちがいすぎるのではないか?と思うくらいに本作のほうに心をゆさぶられた。園を離れることが決まって孤立を選択するたけるくんに対し、めげずになんども接触をくりかえすあげは。最後の登園日、雨が降るなか(あげはが「最強の保育士」を目指すきっかけとなった保育園時代の回想シーンにおいても、最初に画面にあらわれる天候はさびしい心情をそのうちに宿した「雨」である)、たった一人砂場で遊ぶたけるくんのもとに近づき、向かいあうかたちでいっしょに砂のトンネルをつくりながら、これまでのたけるくんとの思いでを語って泣いてしまうあげは(この「砂のトンネル」はアバンにおいては反対の状況下で登場する、トンネルがくずれてしまったと泣く男児のもとにまっさきに駆け寄り、「いっしょにつくろう」とはげますのは、「最強」のたけるくんだ)。「ひらいた!」という台詞とともに、砂のトンネルのなかで手が触れあうことでたけるくんの塞いだ心が雪解け、空も晴れ渡っていく。なんとうつくしいシーンだろうか。これを書くために観かえしているだけでもなみだがこぼれてしまった。新幹線に乗ってソラシド市を去っていくたけるくんをプリキュアに変身してキメ技を放つことで見送るラストもすばらしすぎる。バトルシーンにおける芳山作画の緩急あるぬるカク作画もよかった。EDキュアはスカイとプリズム。主題歌ではなく挿入歌にフィーチャーした映画仕様の特別ED。脚本は伊藤睦美。絵コンテは今千秋、演出は岩井隆央。