将来の怪死

制作、カッティングがおわる。もっとも嫌いな作業なので、だいぶ心が平穏になる。フィジカル化をいい感じにすすめていると、突如プリンタがエラーを頻出するようになり、ながいながい格闘の時間がはじまる。紙が詰まっているとプリンタは言うが、どこにも紙など詰まっておらず、さいしょの開け閉めで透明付箋が張りついているのが2-3見つかったのに対しては「何てこったい」とあたまを抱えたが、除去してもエラー表示は変わらず、気づけば時計の針は夜の11時を指し示している。腹も空いてきたのでいったんキッチンへ移動し、カレーをつくりはじめる。料理は不調の精神を整える。

夜、カレー。鶏もも、茄子(しっぱいした漬け物を刻む)、玉ねぎ、ししとう、トマト缶。にんにく、生姜、赤缶(粉末&フレーク)、ゴールデンカレールーのあまり、クミン、コリアンダー、カルダモン、フェヌグリーク(ホール)、ホワイトペパー(ホール)。うまい。

食事を済ませ、さいどプリンタと格闘。ガタガタやってるわれわれになんだなんだとニャンたちも乱入し、あたりはパニック状態になるが、なおらない。ウンウン唸りながらプリンタの開閉およびネット検索をしまくっていると、時刻は夜中の3時。個展の初日まではあと3日である。もはや新しいプリンタを買ってくるしかないのかと思いつめたふらふらのからだでもういちどプリンタを開けると、わたしの目に異物として浮かびあがってきたのはインクのべったりとついた付箋ケースそのものであった。


▼あまりにでかい異物……てっきりインク関連のパーツだとばかり思って見過ごしていた、そりゃエラーを吐くよな、ごめんなプリンタ、、


制作、プリントがすべておわる。発色がかなりよくてうれしい。インクのノリがすごい。質感もかなりいい。さすがは天下の竹尾である。プリントはしばらく乾燥させつつ、乾いたものからアナログ作業にとりかかってゆく。メタリックデコペン、たのしい!

ひろプリ28話。聖三姉妹とエルちゃんのファッションショー回。あげはが幼少期にふたりの姉と父親とはなればなれになっている設定が明かされ、離婚を扱うプリキュア!とテンションがブチアガる。つまりはエンパワメントということである。「親は親、私たちは私たち」と言い切るあげはのすがたは、もぐこん『推しの肌が荒れた』に触れた際にも述べたが、同様の境遇にある子供たちをしっかりと勇気づけることだろう。三姉妹+エルちゃんでつくりあげたファッションショーに対し、「チャラチャラした格好で笑っている」と揶揄するミノトンに対し、「みんなで笑う、サイコーじゃん!」とあげはが言ってくれるつよみ。

姉ふたりのマネージャーのキャラクターがステロタイプな「お姉」な感じで、見ていてちょっとつらかったが、前作のマリちゃんという布石がクッションになっている?と思いなおしたりもした。Aパートはエルちゃんが泣きそうになっておわるのだが、間髪入れずにはじまったCMでは「えーんえーん」とエルちゃんが泣き、「エルちゃん泣いちゃった」とナレーションが入ってくるのでわらってしまった。ショーのシーンではBGMにヒロガリズムが流れ、同じくファッションショー回があるハトキャのハートゴーズオンが流れる場面を思いだした。鍛錬中、ミノトンがスポドリを飲んでいるのもユーモアがありつつ、熱中症注意の目配せが感じられよかった。EDキュアはキュアブラック。そして脚本はマイフェイバリットプリキュア脚本家である成田良美!!!!!!!!!!! デパプリには参加していなかったので1年以上ぶりのカムバックである。さいきんでいちばんうれしい出来事かもしれない。

リコロイ。ナンジャモ回。紫髪のギークっ子の佐藤大感(というかユーレイデコ感?)がすごい。ゲーム内でも描かれるジムリーダーイベントのアニメへの導入が巧いと思った(ドンナモンジャTVで迷子のリコを探すという展開)。生身のにんげんに向かって「このは」を撃てとニャオハに命令するリコの倫理観にはヤバさがあり、ええんかと思った。

大塚隆史『ちょ〜短編 プリキュアオールスターズGoGoドリームライブ!』(2008)。徹頭徹尾キメシーンしかない贅沢な5分間! 2023年現在までつづく「プリキュアオールスターズ」シリーズの始祖的作品であり、すでにここにすべてがつまっていた。プリキュアたちが対面し、バトルがはじまり、強大な敵にいちどはくじかれるも「絶対に諦めない」精神がふたたび彼女たちを再起させ、相手を打ち負かして歌とダンスで幕を閉じる。それらがバチバチのアクション作画と、川村敏江の流麗な描画によって濃密に演出された、エッセンスのかたまりのような作品だった。これまでは本作のみどこにも配信されていなかったので、「長編はぜんぶ観た」と歯切れのわるい言葉しか吐けなかったのだが、これで名実ともにプリキュア映画完全コンプリートを成し遂げたことになる。

制作、いくつか額装まで済ませる。アナログ作業は精神が疲弊する。そのこわばりによって身体も打撃を受ける。8作が完成する。

昼、鯨井風汁なし麺カレートッピング・ライス付き。うまい。