ガンギ・ザンギ・バンギ

飲酒の影響で腹の調子がわるい。バチバチに胃腸が荒れている。

夜勤から帰ってきた妹が「梨梨」とわめく。梨を剥けと言っているのだ。「自分で剥け」と言っても聞かず、風呂に入り、上がってきてからもふたたび「梨梨」とわめきつづけているのでしかたなしに剥いてやる。梨は妹が友人からもらってきたもので、見た目からはわからないがどうやら2種類あるらしく、剥きながらつまんだひとかけらの味によってなんとなくそれがわかった。わたしは昨日食べていたので、「昨日のとどっちがおいしかった?」と尋ねる妹に「昨日のがおいしかった」と答えると、いま食べていた梨を「おいしい」と言っていたにもかかわらず「そっちがよかった」とまたもわめきがはじまるのだった。

夜、ささみたち、ゴーヤの漬物、プチトマト、スープのあまり、そせじ。うまい。いちにち置くことでゴーヤの苦味はまた低減された。

印刷済みの成果物に衍字を見つけ自己嫌悪。さいあくである(おれが)。

制作、ひとつすすむ。のこるふたつのタイトルも先に決めてしまい、どんなものをつくるかがすべて確定する。フィジカル化でおわらないかぎり、ぶじに着陸できそうである。

朝、牛トマト丼。塩・醤油・クミン・パプリカパウダー・にんにく・カイエンペパー。うまい。

ポケモンSVのdlcティーザー映像を観て、しんでいるポケモンのモチベーションを多少回復させる。ミュウが配信されたそうなので、スイッチの電源をつける気力が期限までに湧きますようにと神に祈っておく。

もぐこん『推しの肌が荒れた』読んだ。公開時にすべてwebで読んでいる。あらためて、アトピーと称されるような皮膚に問題を抱えているにんげんが主人公あるいはヒロインに置かれている作品ってめちゃくちゃ少ないのではないかと思った。エンパワメントという言葉が浮かんだ。とにかく女の子たちの表情がいい。顔が語ってくれる漫画はいい。「顔漫画」的なページでもそれだけで画面がもつ。表情の機微は、皮膚というモチーフがそなえるエロスともよくマッチしている。ほか、「きしむ家」の導入、作者が「この漫画のもう一人の主役」と語る「家」の、1頁1コマでその全景を読者に伝える歪な画角、縦横を回転させるページのつかいかたが印象的だった。

夜、あぶらげとわかめの味噌汁、カレイのフライ・玉ねぎタルタルソース。うまい。玉ねぎは京都の漬物で、以前食べたときには腐敗の味がし、ずいぶん攻めた漬物なのだなと思ったのだが、2袋目を今日開封するとまったくそんな風味は存在せず、単に1袋目が個体として腐っていただけなのであった。ちゃんと検品しろや!!!!という遅延性の怒り。まったくきもちがふるいたたない。数日前に漬けた小茄子はまったく味がしなかったので塩を足してオリーブの漬かっていた調味液をどぼぼ。なんとかなるといい。



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制作、テストプリントを開始する。デカくて高い竹尾のファインペーパーを買ったのでそれを計測して切断するところからはじまるのだが、こういう作業がめちゃくちゃ不得手なのですさまじいストレスが溜まる(かつて手製本かつ複数のサイズを組み合わせたZINEをつくったときのすさまじい煩雑さが思いだされる、、)。それをしっていたから今日までやるのを先延ばしにしていたのだが、インクが足りなくなったり見えかたがおわっていたりが今後生じると時間的に会期初日に作品の完成が間に合わなくなりそうだったので渋々着手したのだった。印刷してみた感じは、案外おもしろくしあがっているのではないか?という感じ。これだ!となるわけではないが、だめだーにもならず、つまるところ及第点には到達している。多少安堵する。

早朝に駆りだされ墓の草刈りへ。母方のほうを数十分でおわらせ、車にゆられて父方のほうまで。豪商の末裔なのでとにかく墓のあるスペースがでかく、いくつも立つ墓石の周囲のしぶとい植物を切断・集積・運搬する。敷地内にはアキアカネが飛び、地面には蝉の這いだした穴が無数にあって風情を感じたが、次第に陽射しは殺意を帯びはじめ、皮膚は藪蚊によって赤々と腫れわたっていく。自身の生まれでた「家」でないほうのこのようなことを、額に汗をかきながら何年もやっている母のすがたを見、わたしは感心のような、しかし家父長制への怒りのようなものがないまぜになった感情が身のうちにふくらむのを感取していた。1時間半ほど鎌や箒、バケツなどをもちいた清掃活動に従事し、それぞれの墓石の名の刻んである面(墓は四角形ではない上に、その前面だけではなく、建立の記録を含めて六面に刻印されている)に手をあわせたのち、帰路に。母とふたりラーメンを食べて帰る。アタリともハズレともつかぬ、微妙な味。麺を啜ろうとするたびに髭の先端が丼に着水し、難儀した。

夜、茄子玉ねぎ挽肉の炒めもの。うまい。味噌味にしようと思ったがあいにく切らしていたのでウェイパーを味の基層とした。