フライドおじゃがを食べませう

富野由悠季∀ガンダムⅠ 地球光』『∀ガンダム月光蝶』をつづけて観る。地球光ってそういう意味か! 50話を2時間+2時間に圧縮するフシギさ。テレビ版を観たあとだとあまりのテンポの速さにわらってしまう。あらためて思ったのは、画で芝居がきちんとできていれば、作画の「アラ」は「アジ」になるということで、劇場版らしくないカットがそのままのこっているのが逆に印象的に目に映った。エピソードの取捨選択とつなぎかたもおみごとで、ソリッドでわかりやすいたたずまいになっていたように思う。ギャバンのハッピーなプロポーズシーンをはじめとする新規カットもたのしく観たが、総評としてわたしはテレビ版のほうが好みだったし、すぐれた作品だと感じた。そもそもの「ダイジェスト」という作法があまり受け入れがたいのかもしれない。原作ものが映画化されるときに、原作に縛られるなと思ってしまうことと同様に、映画をやるならテレビ版を抹消してやれ、という心理がはたらいてしまう。焼き直してどうするのか。

気になったのはラストシーンにおけるディアナの指輪の存在で、わたしはてっきりウィル・ゲイブに関連するものだと思いこんでいたのだけれども、本二部作に彼が登場しないことから、それを否定するものとして左手の薬指がかがやきを放っていたのであった。では、ロランが? 隠遁生活に夫婦性を見いだすことはできないけれども? ウィルゲムという戦艦名がのこっていることを、ウィル・ゲイブの存在の証左と見ることもできるが、はたして。テレビ版を観ていない観客にとってはなんのことやらなのでそのスジはないか。

米を炊き、豚キムチをつくり、富野由悠季機動戦士Zガンダム』2-4話。とにかくカミーユ・ビダンがサイコーすぎる。幼いころにスパロボで叫びちらしているすがたを見てからずっと好きだ。自分の操るモビルスーツの手のひらのなかで、母親が宇宙に投げだされて死んでいくのを何もできぬまま見ているだけしかできなかったら、そりゃあ精神も崩壊するだろうよ。ティターンズからともに逃亡を図った父親が、その敵対勢力であるエゥーゴの戦艦に着艦するなり「いいモビルスーツだな、これは!」とそこにあったリック・ディアスをさわってよろこんでいるのがやばい。妻が上官の謀によって殺され、直後に自軍を脱走して敵軍のもとに身を寄せたばかりだというのに、どうしようにもあふれてしまう機械バカ、機械キチガイ性。にんげんってこうだよね! たのしくなる。


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日をまたぐ頃めざめる。もうちょっとねむりたかった。東京のともだちからライヴにおいでよと誘われ、じつはいまこんな次第で……と話す。そりゃあライヴに行きたいよ、おれだって!

そういえば今朝みぞれ雪が降っていてびっくりしたことを思いだした。季節は4月、桜が咲く!