煮え煮えの正午

模様替えをした。といっても、机と椅子を寝室兼居間からキッチンへ移動しただけである。もともとキッチンに置いていたものなので、元通りにしただけともいえる。キッチンは冬とても冷えこむので防寒のために暖房のある部屋に移動していたのをもとの位置にもどした、いわば衣替えみたいなものだ。わたしの家はどの部屋にも窓があり、キッチンは昼間いちばんあかるい。移動させる前、机の上はレシートやら小銭やらリップクリームやらメガネ拭きやらチラシやらティッシュボックスやらで半分ほど埋まっており、この機にそれらをすべて一掃した。ひさしぶりにひろびろとした机のすがたをながめる。きもちがよい。読書もはかどる。昼から夕方にかけて、数十頁だけ読みすすめていた滝口悠生『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』を最後まで一気に読みきる。紅茶を飲み、窓から差しこむやわらかいひかりをあびながらの幸福な読書。はじめて読む作家だが、この本から入れてとてもよかったのではないか。中身については読書記事の方で触れる。

読書の最中、ききまちがいでなければ、家賃が足りなかったみたいで、という話を隣人が電話でしているのがきこえた。わたしと同じく彼らもずっと家にいることはしっているが、給与が支給されないのだろうか。6月の半ばまで休み、だそうだ。家賃ストをやるのならばわたしも連帯したい、と思うがそういう風景をなかなか想像できない。この物件の管理会社はほんとうにだめだめなので、それを思うといらだたしいきもちになる。

朝は豆腐(いつも買っていた銘柄がなくなったのでおなじ棚に置かれたべつのを買ったのだがめちゃくちゃおいしくない)とポテサラ、昼は卵かけご飯に水菜とチーズのサラダ、夜は長芋の唐揚げとポテサラ+ビールとブラディメアリー。生活リズムのみだれとともに、いつの間にか3食編成になっている。食べおえて音楽を聴きながらごろごろしているとしらぬ間に寝入っており、ギュワッギュワッという緊急地震速報で起こされる。スピーカーにつないでいるのでマジでうるさい。ケーブルを引っこ抜き、また寝る。日をまたぐたびに徐々に時間をずらしてきたが、いまはとても健康的で、2021時ころに寝て、45時ころに起きる。


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朝、ひき肉と新玉ねぎのブルグル。昼、鶏皮とネギの豆鼓醤パスタ。小田久郎『戦後詩壇私史』を12章から15章まで読む。音楽をかけながら軽く横になり、あしたでゴールデンウィークもおわりかあと暗いきもちになる。後、『詩的間伐』を5、6、7と読む。途中、雨が降りだし窓を閉める。もはや夏の陽気である。スマホからCDプレイヤーにケーブルをつなぎなおし、cut copy『in ghost colours』、alvvays『alvvays』、dirty projectors『bitte orca』をかける。がんがんおどる。エンリーケ・ビラ=マタスバートルビーと仲間たち』を40頁ほど読む。paws『youth culture forever』『cokefloat!』、girl band『holding hands with jamie』、stars『no one is lost』をかける。がんがんおどる。u.s. girls『a poem unlimited』がなんど試しても再生されずいらいらする。とても気に入っているアルバムなのでいっそのことLPを買おうかと思う。夜、昨日の長芋の唐揚げのあまりと、牡蠣の山椒オイル漬け、ボイルしたソーセージ+ビールふた缶。レンチンした長芋がしなしなのもそもそでと劇的なまずさ。揚げたては目を瞠るうまさなのに、、今後は揚げたらすぐに食べきろうとつよく決意する。ていうかトースターで再加熱すればよかった。牡蠣は半月ほど漬かったもので、滋味深く、舌がよろこぶ。このソーセージはボイルよりも焼いた方がうまい。湖池屋のり塩ポテチも半分あける。いちばん好きな銘柄。おなじく湖池屋のじゃがいも心地も捨てがたい。醤油味とバター味がおいしかったのにラインナップから消えてやがんの。かなしすぎ。