ひろプリ13話。エルちゃんファーストシューズ回。スカイランドへのトンネル開通によってソラ(+ツバサ)とましろんが別れることになる、という事実を突きつけられる回でもあり、1クール目ラストにて、こういう話を入れてくるのか!というおどろきがあった。エルちゃんとの再会を渇望する王様と王妃に対して、孫娘たちの心情を慮ってその実現日をいちにち延ばすヨヨさんの心情……。ソラとましろんを二人きりにするために怪獣のようないびきをかくあげは姉のやさしさ……。海外に行ってしまう自らの孫にファーストシューズを渡そうとするが、泣いてお別れしたくないという理由でそれを取りやめてしまうスポットキャラのおばちゃんに対して、たがいには伝えることのなかった別れにまつわる自身のきもちを吐露するふたりのすがたが泣かせる。おばちゃんを反射鏡に、ソラはましろんへ、ましろんはソラへ言葉を発しているのである。そんなふたりに感化されたおばちゃんを空港に送り届けるためにプリキュアに変身する流れもすばらしい(ひろプリでは初の戦闘なし回)。おばちゃんとその家族たちの再会を目にしながら、ともに涙を流し、無言のまま手をつなぐふたり。サイド・バイ・サイドのこの美しいショットに、おれは涙を禁じ得ない。彼女たちはおたがいの顔を見合わせたり、いちいち言葉にしたりはしない(フェイス・トゥ・フェイス[切り返しショット]によって感情は共有されない)。同じものを見て、同じ感情を抱く。そのさまを背後からとらえる。それが最適な方法であることを、この映像の作り手はよくしっている。絵コンテ・演出は櫛谷健太。プリキュアには初参加の、おぼえておきたい名前である。脚本は金月龍之介+山岡潤平、EDゲストキュアはキュアミラクル。
リコロイ2話。前後編の後編。リコがあまりにもモノローグでずっと喋りつづけているのがわらえる。ユーレイデコでつかっていた「日記」ギミックのような装置があったほうがすわりがいいのではと思うが、どうなのか。主人公であるリコを匿おうとする集団・ライジングボルテッカーズもユーレイ探偵団的な趣があり、説明をせずに「展開」で魅せていくのはVガンダムといっしょだと思った(モノローグ過多によって主人公の心情を明かしていく点は異なっている)。サトシに対するピカチュウポジションであるパートナーポケモンのニャオハが誘拐されるというヒキも、これまでのアニポケではあまりなかったように思うハードさがあり、つづきも観ていこうというきもちにさせられた。また、伝説ポケモンがアニメで先行登場するのは初代アニポケ第1話にホウオウがでてきた展開へのオマージュにも思え、オッとなった。さいきんはポケモンを起動していない。
水魔16話。スレッタミオリネ再会回。プロスペラさん、というよりも能登麻美子がすごすぎる。声音のふしぶしからすぐれた声優のもつ卓越した技量をひしひしと感じる。ほか、正義感にあふれるマルタンのふるまいに惹かれた。カツ・コバヤシ的まっすぐさがある。トマトをもちいてスレッタとミオリネの対話を補強する演出が冴えていた。
▼わたしはカツ・コバヤシがけっこう好き
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夜、豆腐入り手羽元大根。納豆。うまい。追い昆布のなじみがまだ弱いので明日はもっとおいしくなっているだろう。
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福間健二の死。わたしが詩を書きはじめたきっかけのひとつに、彼の撮った『あるいは佐々木ユキ』(2013)があるので、おおきなショックを受ける。いまは北海道の実家で暮らしているHさんから譲り受けた(彼の言葉で言えば「(自身の書に)旅をさせた」)『青い家』(2011)をひさしぶりにめくっていると、干からびた米粒が頁のあいだにはさまっているのを見つけた。すぐそばにあったコピー用紙の角をつかって、カチカチになったそれを机の上に弾き飛ばす。ほのかに茶色に色づいた、3分の1ほどになった米粒。わたしはものを食べながら読書をする習慣がないので、これはHさんがこぼした米粒で、それが何年もの歳月をかけていまわたしの目に映ったことをひじょうによろこばしいと思った。そのようなしかたで、われわれはたがいに関係しあうことができる。それを「救い」や「希望」の名で呼ぶことのできるあなたと、わたしは手をとって踊るだろう。
夜、ワカモレ+ひき肉玉ねぎライス。ワカモレはアボカド、トマト、塩、ハラペーニョソース。ひき肉玉ねぎはパプリカパウダー、クミン、ナツメグ、ハバネロペパー、塩胡椒ケチャップ。うまい。味を濃くつくったのでヨーグルトをかけるとさらにうまくなりそうな気配があった。
しっかり休むことによって生じた心の休まりを感じる。すこやかなる休息がいいものをつくるための土台となる。