軽量級の暗幕

小説、アップしたあとに気づいたのだが「~だけ縛り」なわけではない、いま書いているものにはついていない、おれの無意識がだだもれている、書いたものは人生のバロメータになる、そもそもこのブログ自体もそんな役割を果たすこともある。

先週末は台北暮色、白夜、幻を見るひとを観た。作品として突出したものはなかったが、台北~のおわり際のパン、白夜の寝ても覚めても愛別離苦(または成就)シーンは部分として胸をゆさぶられた。ブレッソンの低体温な感じは、ひさびさに観たけれども季節的にも気分的にもいまのわたしにとてもフィットした。ゴーゾーはもちろん魅力的なひとだけれど、映画は言葉のうるさいだめだめドキュメンタリーだった。テレビでやった方がいいというツイートを見かけたがまったくその通りだと思った。神性のプロパガンダに堕している。あばくにしろ、つきつめるにしろ、その先を観たいんだよ。カルトの教祖として仮定しアプローチするのがきっとおもしろいと観ながら思っていた、ありがとうございました……ありがとうございました……、台北もけっこうだめだめな映画だったのだが、おわりかたのすばらしさ、その一点で突破できるものがあるように思えた。たらたらとしたテンポ、何も起きないことの映画、核心の不在-周縁のダイアローグ、たまに挿入される画面上部の赤いフラッシュは鑑賞中機材トラブルもあたまをよぎるくらいの謎効果だったのだがじっさいはどうだったのだろう、演出だとしたらちょっとよくわからない、あともしエンディング曲が日本独自の企画なら(きっとそうなのだろうが)担当者は腹切ってわびてほしいほどの余韻ぶちこわしだった。

今年も鑑賞本数80本おーばーできた、なおかつすべて劇場! おそるべし。ひさびさにベスト/ワースト挙げようかなというきもち。月末、つまりは年末あたりに。


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あと写美の「小さいながらもたしかなこと」、写真×映像のインスタレーションが多くてとてもよかった。編集的連接がおれは大好きなんだ、だから映画も本も料理も服も好きなんだよと展示をふりかえりながら思うのでした、来年は昼のワークで雑誌を創刊するのですが個人でもつくりたい。訓練の年になるという予感がある。