おおきな暖房機につよく膝を打ちのたうちまわる

郵便ですとチャイムが鳴って玄関を向かおうとしたときのことだった。けたたましい音を立てて足もとで暖房機は横転し、またぎそこなったわたしは激痛に顔をしかめながら玄関のドアに駆寄る。受領印欄にざつなサインをし、妹宛の小包を受けとり、それを収納棚の上に載せてから、たおれたヒーターをもとに戻す。おお、痛い。1時間経っても、2時間経っても、というよりも、時間が経過すれば経過するほどに痛みは増していくようで、わたしは次第に泣き言をぼやきはじめる。ぶつぶつくりだされる言葉はやがて嘆きに変わり、あったかい毛布にくるまっているうちに、むにゃむにゃと寝言に変貌するのだった。

胸を張ってこれだ!というような作品が書けない。グラフィックはまあそれなりのきもちで世に送りだせるが、文になるとてんでだめだ。行を書きすすめるたびに滅入ってくる。このひどく憂鬱になる反復運動のさなか、ある程度長いものを書かなくてはいけないというきもちになる。

永眠、後、来光。ツナとサーモンのタバスコトマトソースパスタをつくる。うまくてからくてすっぱい。実家にもどってきてからはじめてパスタをゆでた。家族は米派なのであまり食卓にでてこないのである(というか、つくるのはわたしなので、やろうと思えばどうとでもできるのだが、、)。さらにはツナも辛いものも苦手なひとがいるために、ひとりで食べる機会でもなければこのような料理は食べることができないのであった。すなわちこれは抑圧の解放なのである!


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どいらじの2020年ベスト3回を聴きながら麻雀。パーソナリティがめちゃくちゃ多い!というところにまずおどろく。タカシマさんのおすすめしていた本をぜんぶメモる。以前すすめてもらったレオ・ぺルッツの本も、買ったはいいがずっと積みっぱなしでいるのだった。

人民新聞菊地夏野と酒井隆史の対談後編はこちら)を読む。

今回、米大統領がトランプからバイデンに変わって世界中ホッとしているようですが、ネオリベラリズムの問題がヒラリー的な「女性活躍」や「多様性」に再び覆い隠されかねない恐れがあります。
 副大統領カマラ・ハリスのアイコン(記号)化がそうです。バイデン当選の際注目を浴びた彼女のスピーチでも、「少女たちよ、野心を持って上昇せよ」と呼びかけています。これでは高齢やマイノリティ女性、「野心的なルート」に乗れない・乗りたくない女性たちが周縁化されるのです。バイデンが良く見えても、そこに戻ってはダメなのです。カマラのようなイメージに乗せられるのではなく、あくまで「女性差別は資本主義そのものの問題だ」と指摘する闘いは続く、と思っています。
(「対談・名古屋市立大学准教授・菊地夏野さん×大阪府立大学教授・酒井隆史さん 反資本主義 対抗運動の展望を探る 労働者・マイノリティと連帯するフェミニズム」より)

この階級闘争的視点はベル・フックスも『フェミニズムはみんなのもの』で強調していたことで、ほんとにね、と思う。そのたたかいにおいては、「リベラル」の位置どりを引き払う「ラディカル」の姿勢こそがもとめられる。『99%のためのフェミニズム宣言』はほしい本リストにつっこんでいたが、買わなくちゃとの思いをさらにつよくする。翻訳がよくないというレビューが複数ついているのを見かけて、ちょっと躊躇してしまうが。