藤本タツキ『チェンソーマン』がもうおわるということだったので、でている分をまとめ買いした。もう長い漫画を買い集めるような体力はないのだ。レジには吾峠呼世晴『鬼滅の刃』の最終巻をもったひとたちがたくさん並んでいた。妹も買っていたが、途中の巻から買うというわけのわからない買いかたをしている所為ではじめから読むことができない。思いかえすと、わたしもワンピースを当時の最新刊(11巻か12巻とか?)から買いはじめたのでひとのことがいえない。
家に帰り、メールを打ち、グラフィックをあっぷし、寝る。家をでる前に炊飯予約をしていたつもりだったがなされておらず、スイッチを押してから寝た。夜が明ける前にめざめ、グラフィックをあっぷし、インターネットをフラフラし、チェンソーマンの封をやぶる。妹も読みたがっていたので、先行して読んでおかなければならない。まぢかに作品について語りあえるひとがいるというのはありがたいことだ。
3巻まで読んで朝食。大根サラダというかもはやピクルスと、たけのこ豚肉。うまい。都こんぶを食みながらつづきを読む。おもちれーーー。これはおもちろいですよみなさん!とめちゃくちゃ後追いで手をだした立場ではあるが、まわりにひろめたくなるドライヴ感。キャラの魅力がすごい。パワーちゃんラブ。デンジのひたむきなバカさが反射鏡になって物語にきらめきをつくっていくんだ。あらゆる「おもしろい漫画」がキャラクターがよいからなのかと問われると即座にはうなずけないわたしだが、あらゆる「キャラの魅力がすごい漫画」がおもしろいのかと問われれば、そのとおり!と答えたい派のわたしの胸をヴヴヴンと切り裂いていった。悪魔たちのヴィジュアルもいいんだ。途中ポテチなどもつまみつつ、一気に9巻まで読み切る。コミックアンドスナック。サイコーのチープな娯楽。「漫画」、とくに「少年(少女)漫画」は、こんなおもしろいのにこんな安くていいのかよ!というきもちになる。頁を読みすすめていくたびにオイオイオイオイ!と胸が高鳴る。青年漫画の判型で読みてえなあとなる。はやく妹にも読んでもらって、キャラを愛でたりなんだりしたい。
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読みおわってしばらく経ったあと、ふと『補助隊モズクス』のことを思いだした。高田築はもっと読まれるべき作家だ。いま何しているのだろう。描きつづけていてほしい。作者は『チェンソーマン』を「邪悪なフリクリ」「ポップなアバラ」を目指して描いているといっていて、ははあとなった、後者は読んだことないが。弐瓶勉はシドニアの連載がはじまった頃に手をだそうとしてけっきょくださずじまいになってしまったのだよな。そのくせ友人にすすめて買わせたのだった。それを借りることもせずに、気づけば10年以上の年月が経っていた。ついったはアカウント開設10周年ですよと通知をだしていた。おそろしい。