中央グループ4回戦の予想と対策

就寝中、ニャンに枕もとのブックタワーをくずされ、かたくおもたい本の角がわたしのこめかみを垂直に直撃する。ここさいきん味わったことのない、信じがたいほどの痛み。乳首に穴が空いたときも痛かったがそれ以上だ(たしかめてみると穴はふさがっていた)。はげしい鈍痛に声が漏れる。痛すぎて怒る気力も湧かない。犬は痛がっているとたすけてくれるが、ニャンはたすけてくれない。鏡を見るとしっかりと赤い腫れと裂傷ができている。本の門であたまが裂けるのか。にぶい痛みがいつまでも引かない。

夜、春菊のチーズかつぶし和え、鶏キャベ舞茸豆腐。うまい。

起きても痛みひかず。まぶたをとじると痛みが起こる。だから夜が明けるまでワークする。山脈のうちのひとつを登りおえる。

わたしが深い眠りの底にあるあいだに、数日前に腰を痛めて寝たきりになっている祖母から着信が入っていた。ふだん電話などかけてこない(なぜならともに家にいるから)のに、電話??!と布団にもぐりこんでいたニャンたちを蹴散らし、階段をころげおちるように駆け下りて戸を開けると、そこには静かに横たわった祖母が目を瞑り、ゆさぶっても反応がない!とせんじつここでも触れた『みやこまちクロニクル』最新話のちほちほさんみたいな心境になったが、単に寝ていただけで、携帯の電池が切れる前に「充電してくれ」と連絡を入れたとのことだった。

夜、トンテキ春菊添え、ピカタと新玉のマヨ和え炒め、刻みレタス。うまい。

自分の怒りを引き起こすものとして「どの口が言うのか」のつよさを思いしっている。これまでにつよい憤りをおぼえた出来事のうちのいくつかは、この認識が作用している。自分がその陥穽にハマることも多々あるので他者を謗ってばかりはいられないが、「こんなことを言っておいてなんでそうなるんだ!」ということがいまのわたしには吹き荒れている。

山がけわしすぎて泣きそう。やってもやっても作業が減るどころか増えていく。しかしおわりには近づいている。

夜、レタたまスープ、茹で豚和えつけそば。うまい。

尻を嗅ぐとニャンがよろこぶので尻を嗅いでいる。トイレの容器を洗う。

水魔18話。相変わらずめちゃおもしろいがとくに書くことがない。戦闘なし回。



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絓秀実コレクション刊行の報、さすがにテンションがアガる。例に漏れずお高いが買うしかない。

根気のちからでぐんぐん登攀がすすむ、と書いたタイミングでインデザが落ち、決まった!と思ったアイデアが完全に巻き戻った。死。今日はめげずにすぐにやりなおす。

カマドウマが天井に張りついている!としごとから帰ってきた妹に叩き起こされるが、あいたまぶたは数秒でまたもとの位置にもどった。

夜、雪松の餃子、味噌マヨきゅうり、レモンとスパイスの肉豆腐。セージ、パプリカパウダー、パクチーハバネロペパー。うまい。塩気がもう少しあってもよかったか。

のん「beautiful stars」聴く。さいしょに彼女の口から発される言葉が「give me my name back」であることに衝撃を受ける。彼女は自らの出生名である〈能年玲奈〉という名を理不尽に奪われたにんげんである。そんな彼女が「わたしの名前をかえせ!」と第一声として告げる。そんなリリックを書き下ろしてしまう男が、われらがゴッチ、われらがカルチャーヒーロー・後藤正文である。


▼曲がすすむと「i got my name back」になるところも心憎い、すごすぎ
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妹がカマドウマだとさわいでいた虫、すいっちょんorキリギリスだった。階段にいたところを発見され、妹はカマドウマだとおおさわぎし、ニャンたちが食べてしまう可能性もあったので、トイレットペーパーにつつんで外に逃してやる。なかなか脚を紙から離してくれず、窓辺でしばらく攻防をくりひろげた。

ここ数年ずっと名前が思いだせなくてモヤモヤしていたバンドをたまたまそのバンド名に似た単語を目にして思いだすことができた。よく聴いていたアルバムが新体操だかヨガのポーズだかをしているカラフルな棒人間のジャケであることと、それが2010年代リリースであることを手がかりになんども調べていたのだが突き当たらず、難儀していたのでめちゃくちゃスッキリする。それまでは一単語も思いだせなかったのに、バンド名に似た文字列を視認したことによって記憶がよみがえったのである。にんげんの脳はすごい。


▼新体操でもヨガでもなくテニス(?)だった、the bird and the beeは『Recreational Love』(2015)より
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