られつされたラ行がくずれる

食後は買いだし。肉類を主に。ひとり暮らしのビンボー根性がしみついていて、安い肉しか手にとれない。本屋にも顔をだし、現代詩手帖をぱらぱらめくる。思潮社のいいところはこうやって地方にも配本してくれることだ。思潮社主導なのかはしらないが。取次が勝手にやっているだけか? それとも地元に詩を愛するひとが?

早寝早起き。牛肉トマトを醤油とハラペーニョソースで炒める。昨日の夕食のあまりであろう漬物類もだしてパクつく。昨夜寝る前にほぼ中身がない烏龍茶を冷蔵庫に入れるのを母親に咎められたが(誤解のないよういっておくが、帰郷以来烏龍茶を補充しているのは9割がたわたしである、なぜならめちゃくちゃ飲むから)、今朝中身のなくなったティッシュボックスがテーブルの上に載っているのをみて、家父長制討つべしの思いをつよくした。なんでもだれかにやってもらえると思うなよ(これは自身にも深く刺さる刃でもある)! 家政を牛耳るクソのようなムード!


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ブライアン・デイヴィス×ニック・フルー×マーティン・デズモンド・ロー『型破り! なんでもチャンピオンズ』の後半4本を観る。精神がナードなのでヨーヨー回にたぎるものがあった。ヨーヨーガールズ&ボーイズのきらきらしてない青春のまぶしさ。ほか、ヘアショー、ドッグダンス、フロッグジャンピングとニッチな競技ばかりがとりあげられていて、それぞれしらないことをしるたのしみがある。映像作品としてたのしいのかといわれるとちょっと微妙だが、こういう軽さで知を得ていくのはゆかいな体験である。

観おえたのち、ねむっているあいだにHさんからアジカンの『ホームタウン』を推すメッセージがきていたので聴く。このアルバムはゴッチのソロのムードが流れているよなと思う。気だるいのだ。気だるさはいいんだ。脱力。遅さ。スロウであることは実家にいるあいだに考えたいテーマのひとつだ。それにしても「荒野を歩け」はアジカン屈指の名曲だと思う。よすぎ。『夜は短し歩けよ乙女』を渋谷HUMAXで観てエンドロールになったときの感動を思いだす。

さびしさへの寄り添いかたのフォーム。「UCLA」のイントロを聴きながらそんなことを思った。たとえばシロップ。たとえばバックホーン。たとえばアートスクール。さらにさらに沈むやりかたをわたしは好んでいたが、近年はあかるさもまた身にこたえるようになった。『ホームタウン』自体はまあまあとか返信してしまったが、あらためて聴くとめちゃくちゃいいなと思う。まなざしがやさしいんだよな。「細胞膜に包まって 3分間で40倍」も大好きなんだけど、「辿れば疲れる言葉たちを 言い値で落として 丸ごと投げ出して 自分なりのスタイルで揺れれば 心が踊ったんだ」や「不意に腕を握って 急に好きだと言って」といった気を張っていないフレーズが光っている。