着地するなよ教訓

岡本英樹『2.5次元の誘惑』(2024)第1話。非実在オタクの表象、というかつて同人のメンバーと話した話題を思いかえしながら観ていた(こんなオタクはいねえ!)。エロの成分が原作よりも減っていて、熱血青春モノへのシフトをよりスムーズしていくであろう演出意図を感じた。本作(原作)の魅力の核はそこなので、まったく納得できる手直し。おもしろくなる(この序盤からアツく泣かせる作品になるのがすごい)のはシフト後なので今後に期待。

吉村文宏『僕の妻は感情がない』(2024)第1話。アイキャッチがあるうれしさ。とにかくミーナちゃんがかわいい。ついったで観測するとあまり評判がよくなく(しかもめちゃくちゃアニメを観ているひとらから)、そうなの?となった。家事ロボットに恋する独身男性の構図がきもちわるい(ニセ錬もメインのふたりは奴隷と主人の関係性である)というのはわかるけれども、杉浦次郎の作品には批評性を感じるのでそこはいずれ解消されるのでは?と原作は読んでいないがそう思った。しかのこの処女ネタに引っかかって本作に引っかからないのはわたしが杉浦次郎が好きであるというバイアスがつよい?

神戸守『小市民シリーズ』(2024)第1話。金のかかっているOPだなあと観ていて、さらには本編の画面比が横長のシネマ感全開のつくりで、さらには丁寧な背景が際立つとにかくリッチな画面だった。一方、キャラクターの横顔などに違和があり、そのギャップがおもしろかった。わたしはミステリにあまり興味がもてない性質なので、話にはぜんぜん惹かれないのだが、画面の豪華さによって引っ張られる引力があった。

福田己津央・久藤瞬『グレンダイザーU』(2024)第1話。小市民シリーズのあとに観たのもあってかそのクオリティの落差になみだがでる。豪華スタッフ集結! 石油王による出資!とおおきくでた感があったのに、作画もコンテもとうてい〈第1話〉と銘打って打ちだせるような代物ではなかった。期待していたのでショックである。1stカットからしてチープさを感じさせてどうするのか。一方でOPとEDはちゃんとつくっている感じがあり、これまた本編との落差を感じるのだった。

ベースを弾きやすくするために、弦高およびネックの反りを調整しようと試みる。わたしのアイバニーズちゃんには80年代末期から90年代初頭に流通していたいまは使用されていないブリッジが搭載されていて、しらべても調整法がかんたんにでてこない+しくみがよくわからず、ひとまずバラして掃除だけ済ませる。また、手元にある六角レンチではトラスロッドをまわすことができず、こちらも不動だったネジをCRCインパクトドライバーで可動状態にしただけで終了する。ついでに裏面をあけると長年放置されていた電池が腐食していて、接合部分はバッテリースナップとかたくむすばれており、むりやりはがしてやると案の定断線。今月中にすべてどうにかする。



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映画を観にいとこと遠出。映画館不毛地帯に住んでいるので車や電車に乗って1時間以上移動しないと映画を観ることができないのである。道中はいとこが用意してくれたガルクラサブタイ楽曲プレイリストを聴きつつ、そのバンドにまつわる話をしながら目的地へ向かった。

押山清高『ルックバック』(2024)。おもしろかった。ひとと映画を観ると感想はそこで共有してしまってわざわざ同じことを書いてもなというきもちになるのであっさり書いておくが、京本が藤野に引っ張られて背中を見ているカットの反復がとにかくよかった。本棚前、影に位置する京本と、光の側に立って画面から去っていく藤野を対比させ、さらに木を隔てて分かつというプリキュアでも見慣れた画面づくりの演出が光っていた。漫画で読んだときには思わなかったのだが、こうして映画として作品をながめるとヨアキム・トリアー『リプライズ』(2006)のことを思いだした。また、声がつくことによって京本と殺人者のかさなりがより鮮明になっていて(どもり!)、誰しもが一歩まちがえればこうなる、ということを逃げずに描いているように思えてとても好ましいと思った。めちゃくちゃ泣くだろうなと身構えていった所為かそこまで涙は流れず、作品自体というよりかはこの作品がアニメ化されているという構造によって泣いている節があった。主題と形式の一致!

鑑賞後、ずらりと並んだガシャポンからプリキュアのガチャを回すが、お金を入れても何も出てこず、劇場スタッフを呼ぶ羽目になった。30越えのおっさんがプリキュアガチャの筐体(あれは筐体と呼んでいいのか?)を開けてもらい、1回だけでいいですか?と問われて「じゃあ……」ともう一枚手渡しでもらう図……。ホラーである。

予告編でCGアニメがたくさん流れていたのだが、ガルクラのライヴシーンを観てしまった身からするとどれもおもちゃに思えてしまって、逆説的にガルクラのすごさを再認識するのだった。

中華屋で想像以上に大盛りだったかた焼きそばを食べ、楽器屋を冷やかし、100均でベース用の工具と電池を買って、帰路に。ハードオフをふらついたのち、我が家にてベースの整備。いとこも手伝ってくれたおかげでネックと弦高の調整がぶじ完了する(弦を張り替える際にまた調整は必要なのだが)。

朝、茄子・ピーマン・ひき肉のすっぱたれそうめん。うまい。昼はうどんを入れて食べ、夜はしらすを加えてスパゲティで食した。