託す感情すら消え失せてしまったと枯れた観葉植物が燃えていた

魔法少女特集の「ケトル」を読む。あまりおもしろくない。人選がよくわからないし、企画も内容が薄い(吉木りさへのインタビューが特集のドあたまにあるってどういうこと、、?)。アニメ誌ではなく、カルチャー誌から切り口を考えるにしてももっとやりようがあるのでは?と思ってしまった。また、特集外の巻頭PR記事において、出演役者にフィーチャーした映画の記事がいくつか収録されていたのだが、そのうちひとつに取材対象=役者の名前が一切印字されていないものがあり、そんな構成でいいのだろうか、と思った。少なくともわたしは誰が話しているのかわからなかった。

夜、椎茸オイルのチーズそせじ入りオムレツ。うまい。

アニメージュのデパプリ特集を読む。おもしろい。作品やスタッフに対するインタビュアーの熱意がある。ゆえに、インタビュイーの語りにも熱が入る。そうして、仕上がったテキストに「内容」が生まれる。映画に関するインタビューで監督と脚本の口から語られる「弱者に厳しい現代」へのクリティカルな思いは、あまりそういう視点で観なかったわたしの目を見ひらかせるものだった。以下は脚本を担当した田中仁による一節。

どんなに努力しても八方塞がりで、みんなもう自分の将来が見えなくなっている。これは、もはや個人や家庭の頑張りではどうしようもなく、社会システム自体が壊れているってことなんですね。今年の映画のテーマを考えるとしたら、ここしかないのではないかと。

困っているひと、深いぜつぼうのなかにとりこまれてしまったひとに、やさしく手を差しだすゆいのすがたが、それを見てヒーローだと憧れるコメコメのすがたが、それをスクリーンを通して観る子供たちの瞳にも深く灯ることをわたしも願う。子供向けアニメの倫理、つまりは「プリキュアの美しき魂」がここにはある。

夜、ささみ白菜マヨごま塩昆布、ささみ白菜生姜だれ、湯豆腐。うまい。



538


デパプリ39話。娘を愛するワンオペお父さん回。冒頭の背景カットのレイアウトからして凝った印象があり、題材からしてハトキャのなみなみ回があたまをよぎったが、細やかなズーム演出などに目を惹かれるもそこまでの爆発力はなかった。前回、過去世界での父との再会に反応を示さなかったゆいが父の帰還をしってよろこぶくだりがあり、その家族内序列に差もありなんと思うのだった。第1話以来のサッカーシーンも描かれ、アニメージュでも触れられていたが、ゆいへのフィーチャー=最終回へのたたみかけが感じられた。

seimeikatsudou.hatenablog.com
野球回などもあったが、ゆいがスポーツ少女であることはあまり前面にでてこない

seimeikatsudou.hatenablog.com
とりわけ、ゆいが映画同様に困っているひと(=過労によって死にそうな顔で歩いていたわかな父)を家に招くさまに感動した


指先に怪我をしながらもサッカーに励む娘のために日々出勤前に手作り弁当をこしらえる父のすがたを連接項として、完璧主義者であるセクレトルーさんの卵割りに失敗する過去のすがたが登場したのも見どころ。今回の敵幹部にはそれぞれそうなるに至った理由づけが為されており、縦のラインに重きを置く作風がここでも徹底されているのだと思った。まだ片鱗が明かされているに過ぎないが、ジンジャーやフェンネルといったクッキングダム勢とブンドル団の関係性もだいぶ入り組ませてあるように思える。

ドンブラ40話。デレソノニ回。顔芸に磨きがかかるばかりの鬼頭はるか=志田こはくがムラサメを轢いた際の表情がなんとも言えないよさ。前回CMの話を書いた際に触れ忘れたが、シアターGロッソのドンブラザーズの面々のカットがどれもふざけていてサイコーである。猿渡が顎に指を添えてゴンドラに乗っているカットがお気に入り。

www.youtube.com
ポップコーンを口に頬張って階段を駆け下りる鬼頭の手前にたたずむ犬塚の哀愁ある顔もいい


それぞれの休みがめずらしく揃ったのでひさびさに家族揃っての外食が起こる。しかも、昼に焼肉を食べ、夜に寿司という豪勢なコンボ。わたしがこの世でもっとも好きな食べ物である牛タンにありつき、ほかほかハートがこぼれる。やけにおしゃべりなおばちゃんの店員がサーブのたびに嵐のようにやっては去っていくのが愉快だった。また、地元で食べる寿司に対してこれまで「おいしい!」と思ったことがなかったのだが、その歴史が塗り替えられる日にもなった。妹ははじめて「うまい雲丹」を食べたようで、いたく感動していた。いっしょに店には来れなかった祖母も、お土産に入っていた好物の雲丹軍艦を見て、何年ぶりかしらと声をあげていた。食物に紐づけられた「軍艦」というワードのつよさ。

夜、ほっけ、豆腐とわかめの味噌汁。うまい。