再生産殺しの生産/a-b-c間

冨樫義博ハンター×ハンター』を生まれてはじめて読んでいる。「ゴンさん」などネットミームとしては触れていたが、ジャンプを通らずに歳をとってきたのでいままで読まずにいたのだった(ワンピースは単行本で読んでいた)。無料公開されていた340話から読みはじめるという暴挙にで、主人公がほとんどでてこないことに衝撃を受けつつも、話のすさまじい入り組み具合にこれはひょっとしてめちゃくちゃおもしろいのではないか?となっていまはあたまから読んでいる。後半部も追いつつ、ジャンプラで公開されている5巻まで読みおえ、単行本そろえるか?のきもちになる。序盤のテンポ感と後半の「思惑」の過剰による重量感の落差がすごい。ハンター試験の展開は、小学生の頃に友達の家でナルトの中忍試験を途中まで読んだ記憶がよみがえってくる。はたしてあれは誰の家だったか?

夜、チャーシューと椎茸のポン酢醤油かつぶしまぶし。うまい。

チェンソーマン5話。「コト」は省略されなかった。これまでの話でも見られていた窓外からのカットは小動物の視点の導入として用いられているのだろうか?と思ったが、どうなのか。回想の入れかた、おわりかたの選定など、構成がいいと思った。眼や血の描写に力を入れるのはひとつの省エネ作画の作法なのだろうか。

ワークのためのリサーチに時間を費やす。とりあえず手をうごかす派としてはじっくりすすんでいる感があるが、こうしてぼんやりと考えているあいだにも(いるからこそ)アイデアが芽吹くことがあり、つまりあるひとつの目的があたまのうちに携えてある状態で何かを見たり聞いたり読んだりすれば、事前には無関係と思える事柄のうちにも発見が起こるということである。Aさんとの電話のなかで小説を書く際のプロットの話になり、わたしはそれを書かない代わりにメモを書くのだけれども、つまりそれは事前に線を準備するか点を準備するかのちがいで、その点をどう結びつけていくかに関心があるのだと思った。

夜、はんぺんバターチーズ醤油焼き、ピーマン玉ねぎ挽肉チーズのハリッサ炒め。うまい。



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たいしてうまくもかたくもないチョコレートを噛むと口内に違和感が生まれ、手のひらの上にだすと、茶色まみれの銀歯があらわれた。何年かまえにとれた銀歯もそのまま放置しているが、とくだん問題は起こっていないので今回もそうなる。そもそも虫歯でないのにヤブ医者に歯を削られ銀歯を埋めこまれたと思っている節がある。不信がある。

ここのところほしい本が日々増えているのだが、それなりにおおきなギャラの案件がずっと停止しており、それさえうごけば本が買えるのになと泣いている。

夜、豚汁、その出し殻昆布の山椒佃煮。うまい。豚汁はこれまでの人生のなかでいちばんよくできた気がする。具は豚肉、舞茸、ごぼう、人参、里芋、こんにゃく、長ねぎ。豚肉と舞茸を別途フライパンで炒めてから入れたのと、火を止めてから追い昆布したのがポイントか。わたしは通常味噌と醤油を混ぜてつくるが、今回味噌のみにしたこともよいほうに作用したのかもしれない。

立派なかぼちゃを切断すると、なかからわらわらと芋虫があらわれ、さらにはピョンピョコ飛び跳ねて悲鳴がでる。カボチャミバエというハエの幼虫、つまりはウジ虫らしい。さいあくの気分になる。

同人会議。ハンターハンター、ラジオ、マイノリティ同士の軋轢などの話をする。わけのわからない喩え話によってラジオにおける会話のボリュームが形成されるという話、おもしろかった。

デパプリ35話。ここねお別れ!?回。ここねファミリーを招聘しようとしているマイラ王女とのビデオ通話後、真っ暗になったディスプレイにプリキュアチームで唯一ここねを映りこませないことによって別離の予感を描く手腕にまず唸る。そのムードを増幅させるようにトンボやイチョウによって季節の遷移=時間の経過=つまりはここねたちと過ごしてきた「歴史」をあらわす演出も冴えていた。とりわけ、ここねがひとり公園のベンチでたたずむシーンの、イチョウの落下と上昇のうごきは白眉。それをスイッチさせるのが相棒であるパムパムである美しさ。「分けあう美味しさ焼きつけるわ!」なシェアリンエナジーあふるるお弁当を分けてもらうシーンもやけに泣ける。バトルシーンにおいてもここねにとって大切な「ボールドーナツ」を模したような土団子でたたかう計量スプーンウバウゾーを配していて、その連接の手腕にもしびれた。ほか、風船をつけたチャリでイースキ島からおいしーなタウンへと渡ろうとするパムパム妄想内のここねがウケた。脚本は伊藤睦美、コンテと演出は土田豊。上野ケンのつよい作画もグレイトだった。

ドンブラ36話。獣人犬塚大暴れ回。自身の調理した生姜焼きのたくさん載った大皿と、その肉をつまんだ割り箸を手に走り回る人(獣人犬塚)の画。いつにも増してきょうれつすぎる、と思った。圧倒的馬鹿=天才の脚本・演出である。「ツッコミ」をキャラクターに言わせる演出が本作の特徴のひとつとしてあるが、今回はソノイから託された獣人に対する口上をメモ紙片手に(不完全に)読んだソノザに対してタロウが「何の時間だったんだ」と呟くシーンがあり、そのめずらしい人選・組み合わせも相まってたのしい瞬間だった。獣人/人間の反転性をカメラワークによってあらわす演出も○。タイトルの「イヌイヌがっせん」をラストの数分でやる構成も攻めの姿勢を感じた。