みすてられじょうず/あいきょうまんてん

朝のニュース番組、モルディブ海上都市がどうのというニュースの際にトロプリの変身bgmが流れ、やる気パワーがカムバックする。

中山竜『チェンソーマン』(2022)1話。原作第1話を映像化しているわけだが、デンジとポチタの関係性にフィーチャーしただいぶグッとくる構成になっていて、物語に惹きこまれた。引き画の多いレイアウトも単なる原作なぞりではないことをやるぞという気合が感じられ、好感がもてた。さみだれもこんなつくり手に恵まれていれば、、と嘆くわたしもいた。エンディングに絵がないが、曲のほうでバリエーションをつけるという展開のしかたはおもしろいと思った。

祖母の足腰トレーニングがてらいっしょに買いだしにでかける。野に咲く花のほか、往路で見かけた植木を切っている老父に興味を示しており、復路では「あら、おとうさんおわったのかしら」と同じ道を通った際に声を発していた。おわったどころか「おとうさん」と呼ばれた彼はいままさに枝葉を剪定している最中で、向こうにも聞こえているのだろうなと思いながら「ほら車が来たよ」と話を逸しておいた。帰ってくるとへばることが多かった気がするが、気温が下がった所為か今日は元気にしていた。

両脇に猫をはべらせながら、乗代雄介『パパイヤ・ママイヤ』を30頁くらい読む。絵を描く少年とのやりとり、小説の話をしている!とテンションがアガった。「『見たままを描きゃいいんじゃない』とパパイヤは言った。『どーせ見たままになんかならないんだから』」「『きみって、絵描くの好きなんでしょ? なら、人がどう思うかとか人になんて言われるかなんて、気にしなさんなよ。そういう時間って、けっこうもったいないんだよ』」。

猫とふれあっているとからだに生傷が絶えなくなる。今日は左の手のひらを1.5センチほど切り裂かれた。傷ついたその手でシャンプーをしてもやった。びしょ濡れのからだをブルブルとふるわせながら、浅く湯を張った浴槽のなかで2匹の猫がにゃあにゃあと鳴いていた。ノミダニ滅亡まであと何マイル?

夜、鮭白菜舞茸長ねぎのミルク醤油スープ、ししとうと玉ねぎとトマトと豚肉のチーズハリッサ炒め。うまい。スープは味噌で味をつけるつもりだったがちょうど切らしていたので醤油にした。出汁がでる食材ばかりを具材にしたので五臓六腑にしみわたる味になった。



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ワークをしているとQさんから電話。濱口竜介の『親密さ』を観てきたという電話。SさんOくんといっしょに観に行ったという。話を聞いていて思ったが、わたしは観たり読んだりしたものの記憶がほんとうに薄い。よかった/よくなかったという感慨はからだにのこっているが、何がそう思わせたのかのディティールがあらかた消え去っている。あれだけよかったとさわいでいた本作もその例を免れず、輪郭線がかろうじてのこった断片的な記憶が、砂で描いた風景画のようにこびりついているだけなのだった。

電話の向こうではTさん、Hさん、Sさんと続々と人物が増えはじめ、さわがしくなってきたのでOくんが気を遣って電話を切ってくれた。

クリストバル・レオン×ホアキン・コシーニャ『The Wolf House』(2018)。毎秒毎フレーム超絶技巧が展開されるチリ発のストップモーションアニメ。「これは「the colony」という自然豊かな蜂蜜をつくったりするコミュニティに関するファウンドフッテージをクリストバル・レオンとホアキン・コシーニャと国の支援のもとにレストアしたフィルムなんですよ」という手のこんだイントロダクション以外はカットを割らずに(ストップモーションなのでカットは割られているわけだが)制作されていて、そこで用いられている平面と立体をシームレスに行き来する演出があまりにもきょうれつ。不穏さが軋音を立てるような音響設計も相まって、ひさびさにすごいものを観ている感を味わった。ドイツ語音声・英語字幕での鑑賞なので話を完全に理解したわけではないが、題材を同じくする『コロニア』を観ていたのでたいして不都合はなかった。台詞数も少なく、簡単な単語が大半なのに加えて、そもそも画面を観ているだけで充分にたのしめる。

seimeikatsudou.hatenablog.com
コロニア、イギリスでの初週の興行収入が数千円というのを当時目にしていたが、ググると360万ドルとでてくるので安心(?)した、製作費は1400万ドルとでてくるのでハイパー大赤字だが、、

seimeikatsudou.hatenablog.com
本作の製作国にはドイツも参加している、ドイツとチリの関係性には『愛と精霊の家』を観たときも気になった点である、コロニア・ディグニダがナチの残党によって設立されたことと関係があるのだろうか?


youtu.be
予告からしてヤバい、むかし観たヤン・シュヴァンクマイエルなんかより断然こっちの方が好みだ


『パパイヤ・ママイヤ』を120頁くらい読む。とにもかくにも会話文がうますぎて涙ぐむ。ふだん生きているなかで、このようにひとの会話をとらえることができるからこそ、こうした文章がうまれるのだとひどく感動する。

夜は同人会議。かなりひさびさ。大江-春樹のラインをOに説明してもらったり、アニメに食指がのびなくなった話だったり(たとえばわたしはいまプリキュアガンダムチェンソーマンと3本観ているが、これはどう考えても「アニメ」ではなく「メジャーコンテンツ」を摂取しているだけ、1期は観ていたポプテピピックも観ていないし、ちょっとだけ気になったアキバ冥途戦争もけっきょく観ない、現在主流となっている「なろう系」「異世界転生」に興味が湧くこともない)、以下の漫画の話をしたりした。

https://rookie.shonenjump.com/series/pGBIkZlOQQYrookie.shonenjump.com
連載、勝ち取ってほしい