憐む奴らは皆殺し

デパプリ25-26話。25話はキャンプ回。往路のドライブ時にグラサンをかける妖精ズとマリちゃんのイケ感がいい。忘れ物の鍋をゆいが受け取る際、もってきたたくみの手の上に手をかさねる描写、キュン死する。着火シーンの失敗したキャラ(あまね→たくみという「できるキャラ」に分類される選出なのがまたよい)が順にちいさくなるかわいい画づくり・演出もすばらしかった。その後に展開されるキャラ総出の着火剤リレー演出もウケたが、後半のバトルでの「協力(おむすびはコメだけにしてならず)」シーンを準備するものだったことがわかり、唸る。らんらんの着火の祈りはあすかパパを思いだした。オチである満天の星空の写真を撮らないらんらんにもしびれる(思いでは心に焼きつけられる!)。脚本:伊藤睦美、絵コンテ:小川孝治、演出:岩井隆央。

26話はピーマン大王回。お腹の虫を鳴らすプリキュアたちに「ぐぅーぐぅーぐぅーのメロディー ユニゾンしちゃうよ」だ!と開幕からテンションがアガる。苦手なピーマンをめぐるコメコメとここねの会話の間のつくりかたがグレイト。ピーマン大王が登場する妄想シーンをはじめとする劇中劇のコミカルさが際立っており、さらにはセクレトルーさんまで変顔する回となっていて、クレジットの演出 土田豊を見て納得した。ここね実食シーンでのメンメン・パムパムの吊り電灯にぶら下がるという立ち(?)位置もヤバイ。そうしたおもしろシーンだけではなく、足指キュッのアップで伝えるここねの心情(階段の一段目に座っているという点も見逃せない)や、ピーマン料理の完成を待つここねをマリちゃんのいるゆいの部屋、ここねハウスの引き画、HCW鳴動シーンのゆいなどレイアウトのキレもバチバチである。このキレたレイアウトとおもしろがすさまじい合致を見せるのが、ピーマンを克服する際に画面に映しだされるコメコメの喉ちんこ視点のショットである(上下に立ち並ぶ巨大な歯列と、そこに放りこまれ、噛み砕かれるピーマンの肉詰め!)。バトルの折、ピーマンを肯定する際に栄養素の話をもってくる点はちょっと気になった。廣瀬純『美味しい料理の哲学』でも触れられていた「かつての生物学的な判断基準を復活させるような、おぞましい思考的後退」の話。作画の気合いの入れぶりもよかった。作画監督は上野ケン。

夜、もやし入り豚ロース生姜焼き。冷奴。うまい。生姜焼きにするならば、わたしはロース肉よりもバラ肉のほうが好きである。



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チャリを買ってからアウトドアブランドに興味が湧いている。アンドワンダーのバックパック、気になる。会社員時代に、会社の入っているビルのエレベータで乗り合わせたひとが背負っていたバックパックのロゴがずっと気になっているのだが、いくら調べてもブランド名にたどりつけない。文字情報がなく、かわいい感じの山のマークだったことはおぼえているのだが。

ユーレイデコ9-10話。8話で描かれたフィンの裏切りは早くも9話で和解する。なぜならユーレイ探偵団内部の争いがドラマの目的ではないので。ヘンテコ語法でストレートに思いの丈をフィンにぶつけるハックのアツさに思わず目頭が熱くなった。かつて受けたトラウマの言葉を、同じ言葉でもって塗り替えていくさまはグッとくる。脚本はうえのきみこ。10話はいよいよ終盤戦という助走回。ロボッチケンが尻をむけて尻尾の先からメモリーカードを差しだす場面、ハックの放つ「お、なんかプリケツした」というワードセンスがツボ。「鵺の鳴く夜は恐しい…」といったオマージュ台詞もいい。ここまで観てきてあらためて思ったのはスマイリーを演じる釘宮理恵のよさである。『京騒戯画』のコトにだいぶやられた感があって、さらにここでとどめを刺された。

小林寛『水星の魔女』(2022)プロローグ。絵コンテやテキストのはこびはウーン?という印象だったが、バッタバタとひとが死んでいく(イデオンか?みたいなきもちが一瞬だけ湧き起こった)物語の展開にはワクワクさせられ、本編への期待値は上がった。ずいぶん暗い話になりそう、暗い話だいすき!のきもち。

夜、鶏茄子の豆板醤豆鼓醤チーズ炒め、コーンスープ。うまい。

乗代雄介『掠れうる星たちの実験』をパラパラしている。「八月七日のポップコーン」の春樹っぽさにわらう。ここまで書いたあと、〈創作〉をすべて読む。天才。マジでどれもすばらしい。「鎌とドライバー」の会話(と動作)のすごさに感嘆して、読後すぐさま作品タイトルでついった検索をかける(何かを見たり読んだりしたあとにおこなうわたしの癖だ)もだれも作品についてつぶやいておらず愕然とする。ブログを書きまくっていた中高一貫校時代をふりかえるエッセイ「This Time Tommrow」の、世界に対する作家の姿勢にも曇りきった目を拭われる。こういう感覚をもったにんげんがとにかく授業後は速攻帰宅し、「いや、実は、オレ小さい頃にホンジャマカの石塚を生で見たことあるんですけど……ホントにすごかったんですよ。一帯がぜんぶ日陰になって……飛行船かと思いました……」(「本当は怖い職業体験」)といった文章をせっせと量産していたことにわらう。