失調のガイスト、遠征のドグマ

西尾大介ふたりはプリキュア Max Heart』(2005)1話。無印最終話につづいて観る。1stカットはゴミ収集車が美墨家の住むマンションの前を通りすぎるショット。よし美先生のラブラブ新婚生活トークからベローネ学院の新たな1年がはじまっていく軽快なノリがいい。すでに「プリキュア」という枠組みができており、それを破るようなスタイルでもないので、安定感(安心感?)のあるつくりだった気がする。プリキュアたちが前作よりもつよくなっている描写があるのだが、マーブルスクリューの踏ん張りカットすらもパワーアップしていたのがよかった。エンディングが本編ダイジェスト+1枚絵の構成で、無印のものと比べるとどうしても手抜き感を感じてしまった。

最終話まで完走した暁にはMH映画2本を再見しようと思っているが、それがたのしみで仕方がない。きちんと本編を踏まえた上での劇場版のアツさ。上北ふたごの漫画verもテレビシリーズを観おえてから読もうかしら。

ジョージ朝倉ダンス・ダンス・ダンスール』11-12巻。1-10巻を再読しつつ、すこし読みすすめる。「その選択で大丈夫か?」と潤平につっこみたくなってしまう展開がつづき、これが本作の作劇のポイントのひとつなのかと思った。何でもこなしてしまう天才的人物を主人公に据えた際の、先行きの不透明さの演出。

夜、カップ麺、チルドピザ。たまにはこういう手抜き日があってもいい。

ダンスール、18巻まで読む。おれは夏姫ちゃんラブなので、16巻の求愛ダンスにココロを撃ち抜かれた。口にはおろか、文字にすらもできない大好きの感情を、自らの身体を通して、舞台から客席に座る相手に伝える。大切な審査の場において、大勢の観客を前に、それでもたったひとりの想い人に向けて「大好きだよ!」と全身で発声する。なんて尊いアクションなんだろうか、、わたしは言語のちからを信じているが、信じているからこそ、こうした非言語の所作に感動する。そしてそれはダンスを観て感動する回路とまったく同じことに気づく。バットシェバ、また生で観てーーーー。近年はコロナで来日中止つづきだが、次回公演が決まったら無理してでも観に行きたい。ダンスで感極まるほどに心をゆさぶられた、唯一のカンパニーである。

そして潤平をいつもそばで見守り指導してくれるバンダ中村先生のカッコよさよ、、巻を読みすすめるにつれ、初登場時に抱いた印象からキャラクターのイメージがめきめきと塗り替えられていった。声は子安で正解!と思った。こうなってくると2期も観たいよな、、



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デパプリ12話、2回戦闘の密度ある回。心を操られたあまねを救うために、パワーアップした個人技三連撃+合体決め技のコンボをぶちかますプリキュアたち。ただそれだけで涙腺が潤む。一点の汚れもないまっすぐさがまぶしいんだ、、前回くずれがちだったマリちゃんの作画に気合が入っていたのもよかった。

トロプリ最終回やヤムヤム初変身回にもクレジットされていた篠原花奈が今回単独で演出を務めていたが、彼女は東映アニメーション期待のホープなのだなと観ていて思った。貝澤-土田ラインからおふざけコメディ感を引き継ぎつつ、燃える見せ場もカッコよく演出していた。絵コンテは佐藤照雄。アクションシーンにおける溜めのカットがひじょうに巧かった。三叉路の結節点で3人のプリキュアたちに手をつながせ、意志を確認させる場面設計も○。空の星(つまりはあまね≒4人目のプリキュア!)にパンするカメラワークも完璧だ。

拓海のバックグラウンドが明らかになりそうな次回は志水淳児がコンテ・演出、たのしみ!

バイス37話、安心安全vs.自由のコロナ禍で全開になったイデオロギー対立が描かれている。そこで自由のない平和も、平和のない自由も嫌だ!と主人公に語らせるのがどっちつかずの日和見主義なんだよな、と思った。そしてヒロミさんの再登場!

ドンブラザーズ13話。主人公退場の衝撃。次回予告では代替的人物が登場しており、同様の展開はイエローですでにやってはいる(10話)のだが、まさかレッドがというおどろきがあった。

ダンスール8話。夏姫の声が大人びてきこえる。背のびがちな子ではあるが、それは身体の問題でなく、姿勢・態度の問題である。しかしそのひっかかりを取っ払うようなきらめきがパ・ド・ドゥのシーンにはあった。画面を飛び越えてこちらまで伝わってくるふたりの高揚があった。ふたりといえば、潤平と都が思いを通わすシーン、テーブル下の足もとを映すカットも冴えていた。直後の流鶯と海咲の会話(?)シーン然り、漫画に固有の「台詞(フキダシ)の時間」の映像化がうまくいっていた回だった気がする。