ペット可

朝、豚丼。食後、洗い物をおえてふと手を見ると、左手人差し指の第二関節の下あたりに線分状の跡ができており、しらぬ間に包丁で切ってしまったか?と焦ったが出血はなく、切れ目も入っていなかった。コンロを掃除した際に火傷でもしたのだろうか? しかし、気づいたときにはたしかに感じた痛みは、ぼんやりインターネットをながめているうちに消え失せていた。そういう人生を送っている。あなたは丸一日ベッドの上で過ごすことがありますか? おれはある。何も食わず、何も飲まず、部屋の電気も点けずにインターネットをごろごろして昼夜が失踪していることがある。だから精神もおわる。肉体はすでにほろんでいる。

ひたすらワーク。だいぶ作業はすすむが、しばらくして眠気の限界が訪れ、あたまがガンガンしはじめたのでねる。ちゃんと寝れば明日のわたしがなんとかしてくれる。

早くに目覚め、午前中のうちに昨日のつづきをフィニッシュさせる。ありがとう、今日のわたし。ありがとう、昨日までのわたし。信頼できる自己をどのように彫造してゆけるか。

朝、ハムチーズトースト。食しながら西尾大介ふたりはプリキュア』(2004)第10話。1年ぶりに家に帰ってくる父からの電話を受けるほのかのシーン、よろこぶ顔などではなく、思わず浮き足立つ爪先のカットを画面としてもってくるセンスに脱帽する。雪空のともだちに至る前段はもうこの時点で整えられていたのだと感動した。空港で出迎えた両親の初出の顔が、ほころぶことを考慮して一見、きびしい両親なのか?と思わせるほどにかたい表情なのもいい。ギャップのちから。プリキュアの敵としてではなく、普通に強盗がでてくる展開もおもしろかった。ほのかの説得によって彼らが改心に至るストーリーが描かれるが、強盗になるまでの屈折を描き、なおかつ安易なハッピーエンドに決着させない苦味がいいアクセントになっていた。作劇の舞台となる宝石店に閉じこめられたほのかの父が、脱出するために鉄格子に顔を突っこむ場面があるが、終盤に登場する際に顔にその跡をつけているのも愉快だった(誰もそこには触れないのがまたよかった)。

いい話だったなあ、と感慨に浸っているとクレジットに真っ先に表示されるは「脚本 成田良美」の6文字。これがシリーズへの初参加回なのかと唸り、彼女への愛と信頼がいやました。アスガー・ファルハディと成田良美のふたりこそ、現代に存命する脚本家のなかで、わたしのとびきりラブな存在だということを確信した。

同人誌も完成の域までたどりつく。発行直前にバタバタしなくて済みそう。

夜、あぶらげの味噌汁、新じゃがとトマトとひき肉のチーズスパイス炒め。ナツメグとニンニクとパプリカパウダーと、カイエンペパー、ブラックペパー。うまい。


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しごとがすこし落ち着いたか、と思われたがしばらく止まっていたものがうごきだしてまた慌ただしくなる。今月映画を1本も観れていないことが、いそがしさのバロメータとして機能している。月が変わるまでにせめて1本は観たい。

朝、昨日のじゃがいものやつを載せたトースト。青タバスコをビシャビシャかける。うまい。

磯光雄『地球外少年少女』(2022)第1話。おもしろい。電話のジェスチャーのかわいさに象徴されているが、とにかくキャラがキュート。テクノロジーにもろもろをアウトソーシングした人類のうろたえ、「死」よりもフォロワー数こそが絶対正義の世界のふるまい、広告資本主義全開の環境(画面を埋めつくす企業ロゴはもちろん、サブ主人公格の少年少女はディーグルという企業の「生きる広告塔」である)……つまりは「現代」の状況をだいぶ下敷きにした上で、シャア的人類粛清論が主人公の口から語られるワクワクの導入だった。舞台は宇宙ステーションで、電源が落ちる描写があるのだが、その復帰時にスプリンクラーが作動して主人公の顔にかかるなど、ディティール部分での演出がイカしていた。前編にあたる第3話まで一気に観るつもりだったが、視聴環境がさいあくだったのであきらめる。

夜、豆腐と卵の中華スープ、ささみにんじんのゴマだれ炒め。うまい。

Sinead o'brienが初のフルアルバムをだすそうとの報を見かける。たのしみ。新譜と言えば、アジカンもめちゃくちゃたのしみなのだが、いちばん好きなバンドであるはずのバックホーンのニューアルバムにはあまりきもちが昂らない。収録が判明しているシングル曲にそこまで心奪われることがなかったからだろう。もう「世界樹の下で」とか「空、星、海の夜」みたいなミドルテンポの重苦しい曲だったり、「夢の花」みたいなムードのシングルがでることはないのだろうか。近年のシングルは「がんばろうぜ!」みたいなことを直接的に歌う曲ばかりでつらい。リヴスコール以降、その割合が増えはじめた岡峰曲も苦手なものが多いので、それも懸念。好きなものが好きでなくなっていくことのかなしみがある。

vol.3刊行直前の同人会議。気がつけばいつも炎上の話をしている。SNS上で炎上を見るのが嫌になっているはずなのに、ここではそれを話のタネにしてたのしんでいる自身のありかたがあかんよね、といまさらながら思った。文学はゴシップであるとどこかで読んだが、その欲望に抗えたらこんな世界になってないよねー、とも。ねむけもあってか、そこまで遅くならないうちにおわる。