ゴー・ゴー・ゴー

時間のおもさがちがう、と思う。東京と、実家とでである。東京にいればだまっていても無数の選択肢があり、そのゆたかさと煩雑さに心中をつねににぎられつづけるが、こちらにいれば何も迷うことなく家にひきこもることになる。どこにも行けないこと、のストレスは、選択肢の多さによって増減する。選ぶ先のない田舎の生活は、金のない東京暮らしより精神衛生上よいと思った。可能性の少なさ、その恩恵。多磨霊園スーパー銭湯をじかいのたのしみにとっておいたことを、忘れてしまわないうちにここにも書きつけておく。

PCにむかって写真集の表紙案を練り、仮の頁数を策定して、掲載する写真のかるい選定作業をした。あたまとおしりのイメージができたので、あとはまんなかをどうにかすればよいだけ。こういうノリで印刷物を月1くらいでつくれればなと思っている。写真集は2部くらいつくっておわりのつもりだが、のちは通販で頒布するブツをつくりたい。

明け方、ブログをまわる。クレヨンしんちゃんの映画を観に行っているひとが複数いる。ブログのタイトルと同じ題で記事を更新しているひとがおり、これは映画やアニメなどでもそうだが、タイトルと同じ文字・台詞・状況が作中にあらわれるとテンションがブチ上がるよね、感動的だよね、とひとりで勝手に興奮する。べつのひとの、恋人の転職をめぐるドラマチックな出来事がつづられた記事にも、その起伏のはげしさに思わずオッと声がでる。

ひき肉と長芋と長ねぎの炒め煮。味見。うまい。つくりつつ、冷蔵庫にあった焼きそばにオリーブを載せて食べた。わたし以外のみなが食事をおえたあと、しばらく経ってから炒め煮を食べた。プラムも食べた。

夜更け、写真集がおそらくできあがる。A6横型、32p、1c。かわいらしいサイズ。2日足らずでできてしまうんだ、と思った。写真集の編集・デザインはとってもたのしい。とりあつかうのが自分が撮った写真であるのはあまりたのしくない、なぜならわたしは写真家ではないので。来月はこの勢いで1年以上放置してあるつくりかけの写真集を完成させる。こちらはすべてわたし以外の手によって撮影された写真で構成される。海外のコンペにだす予定。コンペといえばひとつ結果がでていた。落選。


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保坂和志『残響』を読みはじめる。以前にもひらいたことはあるが、表題作の書きだしのみを読んだだけで済ませた記憶がある。最初におさめられた「コーリング」も冒頭からたのしく、一文のなかで時空がびょーんと飛んでゆくさまが愉快だ。十数頁読んで眠る。

東京に立つまえにいくらか読んでいた野田サトルゴールデンカムイ』のつづきを読みすすめる。3分の2くらいまで?とか書いているうちに最新話まで。おもしろい。先に述べたタイトルのやつがあってうおーときもちがアガった。ギャグとシリアスの噛みあい具合がさいしょは苦手だったのだが、話数がすすむにしたがってたのしくなってきた。キャラに「萌え」させて「推し」を読者に見いださせることが、いまエンターテインメントの世界ではつよいのだろうかとも思った。個性ゆたかな屈強な男たちがかわいい。期せずして東京滞在中にアジ(だったっけ?)のチタタプをつくっていたので、こちらでも何かをチタタプしてヒンナヒンナしたい。

味噌漬け豚炒め玉ねぎ入り、じゃがいもあさりバターかつぶし入り。深夜にきざんだ長ねぎと賞味期限の切れたハムをトッピングした生麺ラーメンも食す。