信頼によりかかるのよしなよ

真夜中、ベッドの置かれた壁に穿たれているあけっぱなしの窓のあたりでなにかがキイキイと鳴いていて、ブラインドをめくりあげ、スマホのライトを点灯させると、桟になんらかのフンが落ちている。はてさて、なんのフンだろうと見つめていると、突如上からバタバタと飛び去る音がして、どうやら声の正体はコウモリらしきことがわかる。小学生のころ、団地の壁に張りついていたコウモリを友だちとさわってあそんでいた感染症予防の観点から考えるとちょっとおそろしい記憶があるが、それ以来の接近。またくるだろうか。

日記はその名の通り日付が重要な要素として打刻されているが、「そのへん」くらいのアバウトさでこれからは書いていこうかなと思った。べつに連続更新時代も更新される日とその内容にむすびつきはなかったので、方針が変わるわけではないのだが、よりあいまいな感じでええかなみたいな、そんな気分がある。いつか読みかえしたときに、わたしは「この日」という認識のしかたではなく、「この頃」という風に読むのであろうから。

さいきんタイムラインでよく目にする『奈良へ』という漫画をトーチで公開されているぶんだけ読み、おもしろい、となって作者の日記を読むとこれまたおもしろく、そこで紹介されていた保坂和志山下澄人の対談の模様をゆーちゅーぶで見る/聞く。

https://youtu.be/siZJQfjfgqo

保坂和志道元松井秀喜をひきあいにだしながら「悟り」についてしゃべっている横で、山下澄人がマイクの先を顎に当ててあそんでいるのがめちゃくちゃよかった。こういう話の「内容」外のところにおもしろさを見いだすことは、彼らがここで話していることにも通じるし、この動画を紹介していた大山海が日記で述べている話にまで延長線をむすぶことができる。単行本がほしい。重版が決まったという版元の投稿を目にしたが、こっちの書店にも売っているだろうか。


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明るくなって、コウモリのフンを掃除しようとトイレットペーパー片手に窓辺に寄ると、そこには干からびた蛙までもがくたばっており、よくもここ(2階)までと感動する。青蛙負けるな一茶ここにあり、と言葉が浮かんだが、ほんとうは「やせ蛙負けるな一茶これにあり」だし、正確な表記を調べるためにググると、とにかくサイトごとに表記がバラバラしていてイライラした。詩歌の詩句を勝手に変換するな、ぼけが!!! 「痩蛙まけるな一茶是ニ有」と金子兜太が引いていたので、たぶんこれが正しい。

演劇のイメージヴィジュアルの制作をおこなうとともに、同人誌のゲラをメンバーに送る。明日にはたぶんじぶんの作品集の製本ができる。オンラインストアのクレカの審査も通り、ハッピー。

献立、鶏皮、舞茸、大根の端切れ、豚バラブロック、豆腐を醤油酒みりんで煮込んだもの。つくるだけつくって、食べずに寝た。