re:の祈念

文字起こしをしていると、起きてきた母親が更年期全開でいらりちらしていて、もうこんなところに住みたくねえのきもちがみるみるうちにデッカチャンになる。べつにビッグにならなくていいから、早いところ都内でアパート借りて生きていけるだけの定期収入源を得たい。できればデザイン業で。制作でいけるならばなおよい。

夜、ブロッコリ、新玉、ハム、コーンのおかかマヨ和え。ほか、惣菜類。

食後から深夜にかけて文字起こしの続き。大体完了。見通しがつく瞬間というのは、しごとや制作をやっていていちばん快楽物質が脳内に充満するタイミングなのでは。アップルミュージックのnew music mix聴きながら確認作業をしていると、YUKIの「ご・く・ら・く terminal」という曲が流れ、めちゃくちゃ海外のイケイケサウンド志向なんだなとおどろいた。YUKIを聴くのは何年ぶりかもわからないが(「うれしくって抱きあうよ」の記憶はびみょうにあるので10年ぶりくらい?)、わたしは親の影響で幼少期から聴いていたジュディマリ原理主義みたいなところがあるのでとうてい受け入れられなかった。それも大したファンではないのだが。BROTHER SUN SISTER MOONというバンドがよかった。うみのての「レイシズム」も。

今朝ゴミを出しに行った帰りにふと思い浮かんだり、明朝5時におっさん3人で口やかましくボイチャしながらボタンをカチカチゲームに没頭する父親のすがたを見てあたまによぎったりしたのは、やれランシエールだグロイスだと現代思想やアート・ワールドの固有名やら概念やらをどうこうしていて、いったい何かしらが変わるのだろうかということで、「何にもない田舎」で、「カルチャーや思想に興味をさほどもたないひとらに囲まれて」こういうことをやっていると、だんだんとむなしさが自分のうちに積み上がっていくばかりなのであった。そのむなしさのかたわらには、谷川雁が九州の炭鉱で運動をやっていたことのつよさなんかもいっしょにぷかぷか浮かんでいる。


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午前のうちに原稿を投げ、抱えているしごとのかるい見通しをつけ、ベッドに転がる。以前述べていたデザインコンペのうち片方の〆切が明日なのだが、しょぼいアイデアしか浮かばず、手をうごかす気になれない。

昨日の朝、白い蛾を見た。玄関脇の壁の、ちょうど目線のあたりにぴとりと張りついていて、頭部のあたりにもふもふとした毛を生やし、なんとも愛くるしさを感じた。調べてみるとリンゴドクガという名称で、その名に反して毒はもたないそうだ。疲弊した人生における、唯一の癒やしの存在。