おれはね、あなたを救ってやることもできないし、あなたもおれを救うことができないんだよ

zoomでインタビュー立ち会い。イーもアーも初対面の方々+オンラインでのインタビューは初だったので、ずいぶんと緊張したが、ぶじにおわった。わたしはとくに何を発言するでもなかったのだが、めちゃくちゃ関心のあるテーマだったのもあって、すこぶるたのしい時間を過ごした。そもそもインタビュー自体がおもしろい行為なので、内容もとなればたのしさ倍増である。終了後は少々仮眠を取り、文字起こしに取りかかる。文字起こしもひさしぶりだ。「やればおわるしごと」は精神衛生上よい。なんだって「やればおわるしごと」かもしれないが、ちがうのである。「やればすすむしごと」のほうが正確か? 半分ぐらいまでやったところで脳が疲労しているのがわかったのでちゃんと睡眠をとる。分割睡眠はあまりよいことがない。よく食べよく寝るこれ生の鉄則也。

夜、さば缶と豆腐と新玉の生姜煮。さば缶自体にレモン&バジルの風味がついていたので、半分に割ったオリーブを加えて洋風テイストにする。うまい。

母親の職場でコロナがでたようで、しかも罹患者と同じ机で作業をしていたこともあって、インタビュー音声の流れるイヤホンの隙間から軽いパニック状態になった母の声が漏れ入ってくる。体温を測ってみると、37度台の結果がでたのがそれに拍車をかけていて、「食後だからでしょ」とわたしが東京から戻ってきた当時にも同様の数値が食事のあとにでたことを思い起こさせる。

夕食の折、食事をおえた父が食器を洗いもせずにテレビゲームにうつつを抜かし、その横で老いた祖母が彼のつかった皿を洗っている光景を見てほとほとかなしくなる。こんなげんじつをおれに見せないでくれ。わたしの帰郷と、妹の援護射撃によって食事時に「父の帰りを待つ」枠組みを破壊できたのは「家族」の「呪い」を解く第一歩だったと思うが、家父長制がいかにクソかということを述べてもそれに順応していて不満はあまりないという母なので、一家の中心であぐらをかいている父権はなかなかゆらぐことがない。


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Aokidさんのブログを読んでいると、「数日前に訃報を知った西川さんという1_wallに出ていたグラフィックの人」という一文があり、あれ、と思ってしらべてみると、この西川さんは、わたしもガーディアン・ガーデンで喋ったことのある西川さんだった。享年35歳。やるせなさが浮かぶが、そんな心情を無残にもかき消すのは「糸井重里に追悼されたくねえな」という彼の男がおこなう追悼ついーとが目に入ったときの感情で、こんな風にしてインターネットは人の死を「消費物」にしてしまう。わたしの態度も含め、web上のR.I.P.は総じてウンコである。Rest in Poo.

文字起こしをひとまず1周おしりまでおえ、シャワーを浴び、休憩する。もう1周して、さらに細かいところをチェックしたらおわりである。合間合間に冊子プロジェクトの方もやりとりをすすめる。コーラ味のメントスを噛むと、口のなかに違和感ができ、右手の人差し指をつっこんで違和のある部分に触ってみると、指の側面が血で赤く濡れて帰ってきた。