ここに何かを書く

外が明るくなるまで『知事抹殺』を読んでいました。福島県知事としての来歴の紹介がおわって、いよいよ逮捕される件から本題という感じになり、おもしろくなってきました。本書で佐藤栄佐久をねちねちと問い詰めている検事・山上秀明が、2021年3月現在、東京地検のトップ(検事正)に君臨しているのも味わい深いですね。

話は変わりますが、初版が2009年であるというのはおどろくべきことです。わたしの手もとにあるものは2011年4月にでた第4版で、帯にも「緊急増刷 福島原発事故の元凶。」とあるように、震災をきっかけにより多くのひとびとに読まれることとなったのでしょう。とはいえ、それはあくまで本を読むひとかつ、福島や原発に関心のある層にかぎってのことであり、筆者がとくに読んでほしい読者層として考えているであろう数々の報道を目や耳にしていた福島の市井のひとまでとどいているかは疑問です。現に、政治にほとんど関心のないわたしの親などは「佐藤栄佐久ってしってる?」とたずねてみても「ああ、市長だった人だっけ?」程度の認識です。滅入ります。

寝床をぬけだし、リビングでパンを食べていたらコップをたおしてしまい、水を盛大にこぼしました。床にもびたびたたれたので、ついでに水拭きをします。ポジティブです。

日がまぶしい。洗濯機をまわし、保険料をおさめにコンビニへでかけます。さんまんえんくらい。殺意をこめて支払います。今月末のカードの引き落としでほぼ一文なしになります。やばいですね。家からコンビニまでの道のりにある田んぼの真ん中から一本の木が生えていて、いったいどういうこと?となるとともに、新手の現代アートか?というつかいふるされた言葉もあたまのなかに到来し、こういう語法の流通に加担するような真似はすまいと反省するのでした。へんな言葉にであったときに「ポエム」といってしまえるような感性と、わたしたちはたたかわなくてはなりません。


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まいとし欠かさず誕生日にお祝いのメッセージを送っている友人に今年も祝意を送り、仮眠をとります。6時間ほど寝て夕飯どきにめざめ、用意された食卓につきます。「用意された食卓」。カニエさんの詩集の題ですが、なるほど家政の話だなあと書いてみることで気づきました。「写真」の先駆であるニセフォール・エニプスの作品題からとられているそうですが、その言葉の射程は詩集の名前となることによって、より深い位置まで達しているような気がします。つぎひらくときは、そうした視線でまた読んでみましょう。

ラジオ。120分を超えると、茶を飲んでいようがのどが枯れます。テーマがあったこともあって、今日はよくしゃべっていたと思います。全5回の震災特集、さいごまでかけぬけてゆきます。