だんこうwowwow

めざめ、汁なしラーメン。ほうれん草、牛肉、ねぎ、卵、かつお節、ラー油、酢に醤油スープ。校正。たまにWEBアニメスタイル湖川友謙のインタビューを読みつつ。

湖川 目の描き方なんて、観察すればいいんですよ。いろんな人がいますから。腫れぼったい目の人も、ほとんどまぶたに肉がない人もいるでしょ。横顔を見てると、この人の正面をどうしても見たいと思う顔もあるんですよ。
一同 (笑)。
湖川 電車に乗ってる時に、俺の今までの経験の中ではあり得ないっていう横顔の人がいたんです。
小黒 それは綺麗な顔ではなかったんですね。
湖川 綺麗どころか。そうじゃなくて。あの……。
小黒 ユニークな?
湖川 口の周りがとにかく信じられない感じで。「こういう画はない」と思って。とにかく正面が見たくて見たくて。でも、凄く混んでて。だーっと電車を降りて、追っかけたんですよ。とにかく前に回りたくて。
一同 (笑)。
湖川 でも、見られなかった。それが、いまだに悔いが残ってるんです。そういう好奇心を持ってほしいですね。いつも何かを考えてるか、見てるかしてないと、アニメーターはできないんです。だってね、新しいものがいつも(自分の中から)出てくるわけじゃないですもん。だから、仕事ばっかりやってる奴は、能がないと思ってるんです。やっぱり遊びもしたほうがいいし、色んなものも見ておかないと、引き出しが埋まらないまま作業をするのですか? 引き出しを満杯にしておいて全てをはき出すんです。全てはき出しておかないと、新たな発見を詰め込めませんよ。作業ははき出すのみです。言ってみれば机を離れた瞬間から勉強、吸収が始まる事を知ってください。
(「animator interview 湖川友謙(2) 着地のポーズとサイコロ」より)

いい話をしていると思った。かつて新文芸坐で催された今敏の特集上映にでかけたときに、似たような話がでていたなと思いだす。今敏のHPで読める映画製作の裏話みたいなものもそうだが、「苛烈な労働環境」がはびこるアニメ業界のバックグラウンドストーリーはおもしろく、WEBアニメスタイルに掲載されているインタビューの数々のなかにもその魅力がよくあらわれている。そのような労働環境に身を置きつづけるためには「作品をつくるための情熱」が不可欠であって、それは構造的には搾取以外のなにものでもないのだが、であるがゆえにおもしろいものが生みだされていったのだし、後年それをふりかえるかたちでこのようにしておもしろい話を読むことができるというジレンマがある。ものをつくるということに対して、ねじのはずれたにんげんがよいものをつくる。危ういテーゼだが、わたしにそれを完全否定する気概はない。


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鶏とオリーブの炊き込みごはんと、ブロッコリと玉ねぎとひき肉のスープ。夕飯どきになるとしごとを中座して台所に立ってしまう自身の責任感に嫌気がさす。後者はローリエ、セージ、タイムを入れてハーブ風味に。うまし。

わが家の家父長制全開な家政の状況に、日に日にかなしくなってくる。同居ってのは理不尽な行為なんだ。そんなふうに思ってしまう。東京にもどったら犬か猫を飼おうかなというきもち。にんげん以外と生活がしたい。それくらいの財力の獲得が、いまわたしにもとめられていることである。