ケロ井戸に落ちたら/NO NOOBS(YES BOOBS)

ハロワ。妹に叩き起こされながら送ってもらい、数分ほど職員と談話してハンコをもらって帰宅する。まいどのことだが、わたしの希望するような職種の求人はほぼなく、たとえわずかにかすめるようなものがあったとしても免許必須と書かれた求人票ばかりで、この地で会社勤めして生きていく未来はまったく見えないのだった。フリーランスとなってやっていく気構えをよりつよくもたねばおわるぞ!と喝を入れ、モリサワパスポートを導入する。5まん5せん円もする。死ぬ。インターネットバンキングとやらをつかえるようにし、クレカの利用可能額をふっかつさせたのだった。ザオリク

妹と朝食を摂り、でかけるのを見送り、どうぶつえんの配信をながめたり、昨日の通話でも話題にでたMKRのポケモン配信などを観たりしながら昼下がりまでだらだらと過ごす。劇場的な空間ではない場所でのパフォーマンスの配信、というフォーマットがふしぎで、その中身よりも「配信」自体に関心が向いたりする自分のきもちに気づいた。それぞれのスマホが小石のように人工芝の上に置かれ、その場で撮影された動画が流れているさまが画的にたのしかった。代々木公園での催しとはちがって、パフォーマンスの時間帯に観客が自由にうごけるような感じが配信の画面を観るかぎりはあまりなく、むつかしいなとも思った。閉じた空間において、指示することなしにどうやってひとをうごかすことができるのか。小山さんの「指示書」はその活路を見いだす一手としてとてもおもしろそうだと思った。わたしのグラフィックもそういう方向性のものだ。たんぶらーで書いた「窓からどうぶつたちのすがたをながめるようにのぞいてみてください」という態度は、配信に向き合うにあたってよろしいのでは、などとも思った。

自作に触れれば、運営サイドにお任せしたグラフィックの配置方法が神がかっていて、その作品への汲み取りかたをとてもうれしく思った。わたしは自作のありかたを電柱に貼られたビラのようなイメージでいたのだが、プラカードのような様式で置かれていたのである。《agitation≒conception》と名づけたこのシリーズは、まさにプラカード的なものを念頭に制作がはじめられたのであった。ちいさい判型でいく、と早々に決めて制作したのだが、配信だと細かい文字が見えず、そこはあたまに入れていなかったなとも思った。セブンイレブンネットプリントで出力可能なので、興味のあるかたは店頭のコピー機に番号を入力してみてください(入出力を混濁させる語法!)。

A《agitation≒conception #002 HOLD HANDS!》:18097977
B《agitation≒conception #003 SPEAK OUT!》:93881494
◎Aはモノクロ、Bはカラー、ともにA4サイズ推奨
◎2021/1/20 23:59まで有効(ぎりぎり!)


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これです、Bのしたの言葉はアルベルト・カエイロ(フェルナンド・ペソア)の詩句です


炊飯、ヨーグルトが大量にあったので、じゃがいもとニンニク、キャベツでスープをつくる。トルコ料理のイメージ。ほんとはビシソワーズみたいにミキサーでギュわギュわしたいところだけれども、めんどうなのでそのまま。酸味がきいていて、刺激的な味である。味つけは塩胡椒、コンソメコリアンダー。日を経過させると味の尖が消えた。わたしは尖っていたほうが好みだ。

せんじつラジオにはじめてのおたよりがとどき、よろこんでいたのだが、またおたよりがとどいた。うれしいことである。それについて何かを話すために、書棚をあさり、手がかりとなる言葉を探す。目次をざっと眺め、手に取ったのはメカス、ミンハ、ジュディス・バトラー、カロリン・エムケ、小泉義之。パラパラ読み、当日はメカス、ミンハ、エムケでやることにする。いったい何をいえるのか、という立ちどまりが、その場に穴を掘ることになる。その穴穴が、何かをつくりだすための井戸になっていく。