聖念つぶて冷凍パック

作品集を何の紙に刷るかで延々と悩みつづける。よさそうな紙を見つけても、家庭用プリンタには対応していなかったり、そもそも個人向けに小ロットで販売してくれるところがなかったりして、手もとの『デザインのひきだし』と紙見本とインターネットとをひたすら見比べることに時間を費やす。それでも役立ちそうなオンラインストアにたどりつき、今日の結論は、とりあえず竹尾でミニサンプルを買って、それから考えればいいというところに落ち着いた。編成台割もだいたい決める。こんなに気合を入れてリトルプレスをつくるのはずいぶんひさしぶりなのでわくわくしている。

大型書店へでむく。そのまえに、個人経営のアートブックの図書館があるようだぞ目星をつけていた店に立ち寄ってみるも、数年前に廃業してしまったようで、跡地で古着屋をひらいているひとと三十分ほど話をする。窓辺の棚にぽつぽつという感じではあったが、まだリヒターの画集などが置いてあった。こんなにおもしろい店があったのだなとおどろく。

書店では国書刊行会からでている『横尾忠則全ポスター』を第一の目的にしていたのだけれども、ひらいてみるとどうもしっくりこず、13200円という大金を払うんだったらべつの本を買ったほうがいいのではととりやめた。本にダメージがあったのもポイントだ。だったらユーズドでいい。高くて手をだせていなかったアガンベンの『思考の潜勢力』の買いどきかもしれない。


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帰宅し、M-1を観る。敗者復活戦には間に合わなかったので決勝のみ。推しがみなひとネタで散っていったのでそこまできもちは盛り上がらなかった。とはいえ東京ホテイソンがめっちゃおもしろかったのでよい。ショーゴたけるに寄っていくラストの間、マジでサイコーだった。重力が発生していた。それが映像を通してもこちらにはたらきかけているのはすごい。寝る前にもくりかえしみてふたわらいほどした。おいでやすこが、のわらいどころがよくわからないのでなんでこんなにおもしろがられているんだろうというズレの発見もおもしろかった。「クドさ」という語で表現できるのかもしれない。わざわざPCに向かってギャオでやっていた打ち上げまでみた。アキナの「よくない結果」からの切りかえしっぷりがよかった。

起床、インスタント麺。乾燥機をまわして昨日買ったいげちゃん写真集の封をやぶる。頁をめくっていると、あまりにもかわいすぎて胃が痛くなり、人体のふしぎを思った。わたしは胃がよわいので、感情が消化器に直結しているのである。アマゾンで低評価つけてるのは正気か?!となるも、たしかにエディトリアルという点でいえばもっとやりようがあったのかもしれない。本の完成形がみえた上で撮影しているのだろうか? 編集者はどこまで介入しているのか?