ねつを剥離、ちぎりを輸血

アジカンレトロスペクティブにともなって、アルバム聴きをふっかつさせる向きになり、オウガの『新しい人』をかける。『ワークショップ3』リリースめでたい。「動物的/人間的」の詞の質感はマジでスペシャルだ。「あなたがただ走る 地図も持たず」。すばらしい。「あらゆる木や草が むやみにはえ」。大好き。「恥ずかしいこと はじめよう」。はじめたい! そしてそれらを「夏が終わる」の一語で終着させる手管よ。どしゃぶり野音の記憶がよみがえってくる。

早寝早起きマシーンになってる。たぶんいい傾向。風呂をおいだきしながら読書。優雅だなオイ! 悠長ないちにちのはじまりだ! 食事を摂り、湯浴みし、本を読む。『デザインの種』。ラジオのネタはもうじゅうぶんあるのでのびのび読める。こういう意識のうごきに気づくと、ラジオの存在感がわかるようになる。それからハヤシライスのハヤシの部分をつくり、食べる。うまい。エルガイムを1話観、スコット・フランク『クイーンズ・ギャンビット』の1話も観る。宗教がらみの幻覚ものだ!と観る前には思ってもいなかった要素の出現におどろいた。あまり飛ばしていかない1話という印象だが、主人公ベスが年長の男どもをチェスで打ち負かしていくさまは素直にカッコいい。「Cock Sucker」というワードと男女のからまりカットの併走など、緊張のつくりかたに興味を惹かれる。

そうこうしていると印刷所に発注していたブツが届き、どれどれと開封すると予期していない仕上がりのものが目に飛びこんでくる。なにゆえ、、とショックを受けるが、クライアントワークなので落ちこんでる暇もなく、先方にお詫びの連絡をする。かつて透明効果がうまく印刷されずにオブジェクトの背景が浮きあがったしあがりのフライヤーができたことがあったが、今回も似たような状態で刷られてきた。そのフライヤーのときはクライアント自身が入稿していたので最終的なデータチェックをすることができなかったのが反省点だが、今回はわたし自身が入稿しているので責任は完全にこちらである。印刷所サイドの問題かもしれないが、へんなものができあがってしまったことには変わりはないので落ちこむ。


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ひきずりつつ、データの検証。印刷結果に干渉していそうな部分は取り除き、手もとにきたものは色校として色合いの調整もおこなう。DTPになって印刷のしあがりが画面上でわかる時代になってしまったというようなことが『デザインの種』で触れられていたが、このような「失敗」にでくわすとまだまだその余地はあるのではと思った。単にわたしの経験不足であることは否めないが、、自分だけならまだしも他者をまきこむかたちで失敗はしたくないものだ。