ホッチリ、ホッチリ、ぽっちりな

ブルダックポックンミョンで鍛えたおれの胃と舌のまえでは!と軽々しく辛ラーメンに手をだしたがちゃんと辛い。鼻水をだらだら垂らしながら食べる。春菊、鶏肉、卵、チーズを入れた。

ディアオ・イーナン『薄氷の殺人』を観た。

薄氷の殺人、鵞鳥湖の夜でもそうだったがグイ・ルンメイのキレたヴィジュアルが冴え渡っている。殺人や逃走の場面で、緊迫感をつくらずにとぼけているのもよい。雪に埋まったコカ・コーラ、ネオンによって色づく顔面、そしてスーパーロマンチックなラストシーン。ドラマは捨てて、画で突き抜けてくれ!

とにかくグイ・ルンメイの存在感よ。最新作である『鵞鳥湖の夜』に比べてまだドラマに囚われている感があり、すすむ方向はただしいのではと思った。バランスなど気にせずにもっともっと画に重心を置いて、深みへとたどりついてほしい。とはいえ、こっちのほうがよい作品だと思った。鵞鳥湖にはない要素として「まぬけさ」があり、主人公が氷の上で滑って転んだり、弛緩した時間のなかの銃撃戦だったり、そのようなおどけの手つきを好ましく思ったのだった。そうしたムードが鵞鳥湖にあればなどとはまったく思わないし、傘のシーンはじめカッコいい場面も無数に、ほんとうに無数にあるのだが、鵞鳥湖のほうはどうも突き抜けが足りないように思った。これはピエール・ユイグの《The Host and the Cloud》がドラマに足をとられていると感じたときの感慨にちかい。画で語ることのむつかしさ? そういう話ではないだろう。わたしがおもしろいと思ったのは、作品の志向として鵞鳥湖のほうに○をつけるタイプなのに、よかったのは薄氷のほうだったということです。

観おえたあたりで妹の恋人が家にやってきて、ヒップホップ談義をする。E.S.V.やらMoment JoonやらkamuiやらTENG GANG STARRやらを紹介した。恋人の兄とリビングでふたりきりだなんて心中おだやかでないだろうなと心配する。途中、地震があり、ふたりでゆれる。しばらくして妹がシャワーからもどり、でかけていくのを見送る。


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重戦機エルガイム』30-32話。ひきつづきおもしろい。ネイが死にそう。ギワザもあっさり死にそう。こうやって予想するたのしみ、みたいなことをずいぶん忘れていたような気がする。どんなときも欠くことなく画面と物語に彩りを与えていたおふざけ的ユーモアが、ここにきてだんだんと鳴りを潜めつつある。その一翼を担っていたアムがその状況を自らの台詞で明らかにする一場面もあった。ひとつの作品内におけるテイストの変化はダイナミズムがあってたのしい。

夜は鶏肉のあまりをごま油と醤油で和えたのと、昨日のかれいの甘酢あんを白米で。

ピッチフォークフェスの模様を観る。ぜんぜんしらなかったが、リコ・ナスティやカップケーキなどフィメールラッパーたちがカッコいい。V.S.O.P.対談のずーかまさん回を観る。ずーかまさんのボイスパワー。ALTSLUMのあたらしい鼎談を読む。詩人が登場する場面の「(笑)」について考える。寝る。