めくりあった日除けのくぼみ(赤くなった突起もある)

妹がおたけびをあげているのでめざめる。レンジで温めた容器があついあついと叫んでいた。わたしも食事をし、髭を刈ってシャワーを浴びる。ひさしぶりにカラーシャンプーを投入して髪の色を多少もどす。『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』のつづきを読む。ほんとうにおもしろい。メインとなっているギャグものも、思弁を展開するものも、児童文学ものも、どれもこちらにのりしろ印でひびいてくる。「川辺」が収録されていないことだけがかなしいが、そのかなしみを吹き飛ばすほどの珠玉の掌編がつまっている。「ワインディング・ノート」と「虫麻呂雑記」はまたべつの機会に読む。

ラジオ前の予習としてバスティアン・ヴィヴェス『ポリーナ』を読みかえす。やっぱりこっちだなあというきもちになる。すぐれた漫画を読みおえたときの、なんともいえない余韻がある。内容についてはこちらで書いたので省く。コマ割りという点だけでいえば、日本の漫画に分があるが、それでもここにはある種の詩情が宿っている。

夕飯は、鶏モモとししとうのオイマヨ炒めと、キャベツの塩昆布和え。昨日の白菜トマト煮にはチーズを足してより欧風にする。赤とんがスープにしみわたって辛い。肉じゃがの残りも、母の漬けたかぶのつけものもあり、食卓が豪華だ。調子に乗って食べすぎてしまった。

ラジオ。食べすぎの所為かお腹が張って発語に支障がでた。こんどから放送の日はひかえめにしようと誓った。今回はわりと濃いめの話ができたのではと満足している。のどをつかったことによる錯覚か?


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今朝も妹がさわいでいるのでめざめる。友人が遊びにきているのだ。無職の兄がぬうっとリビングにやってくるのを見て彼女たちは何を思ったろうか。茶を飲みつつ、妹らはでかけていったので昨日ののこりで食事を済ませ、鬼(?)のいぬまにPCにむかって制作をはじめる。ふたりの会話をきいていて、声音というか、しゃべりかたというか、発声が似ているなと思った。『コンビニ人間』で、そのときに身のまわりにいるひとたちの趣味や語法によって自らもそれに擬態する、というような話があったが、そんなことを思った。影響受けつつ与えつつ、わたしもこれからしばらく家族のなかで純粋培養されてにんげんが変化していくのかもしれない。

夜、豚肉と白菜の味噌柚子胡椒炒め煮。柚子胡椒は香りが飛ぶのでしあげに入れるのがポイントです。味噌も飛ぶ調味料ですが、今回は柚子胡椒のほうに主張してほしかったので構わず先入れします。

食後も制作のつづき。霊感がビリビリ到来し、いい具合の案ができあがる。いちにち寝かせて様子をみますが、これで決まりかな感がある。ところで、デザイナが案件を引き受けてデザインを提案するタイミングで、いったい何案がそこにあるべきなのだろう。誰だかのインタビューで、わたしは一案しかだしませんというデザイナがいて、そのやりかたはいいなと思ったのだが、そうするだけの説得力がはたしていまの自分にあるのかと身を振りかえる/加筆:おれたちの菊地敦己だった。「最初から何案も出して分散させていくより、ひとつの「これだ!」という案を作り込んでいくほうがいい。だって「一応、明朝とゴシックと両パターンご用意しました」とか、バカみたいじゃないですか(笑)。そのどちらが良いか決めるために、僕らは呼ばれてるわけで」「定食屋で天丼とカツ丼と両方出してもらってから、どっちを食べるか決めよう、みたいな話はあり得ないじゃないですか」(CINRAのインタビューより)。首がとれるほど同意する。「バカみたい」なことをやってしまいがちだが、おれもひよっていられねえぞ!