uneasy understanding

ケリー・ライカート(ライヒャルト)『オールド・ジョイ』。スロウシネマ。人生の岐路にある旧友同士の男ふたり、森の奥にある秘湯へのいきあたりばったりゆるゆるひりひり道中。劇中バンバンかかるヨラテンゴサウンドトラックのよさがきいている。観ていると、主人公ふたりのあいだにホモセクシュアルな関係性を感じざるを得ないのだが、監督とのQ&Aをきいているとそんな意図はなかったそうであり、自らにかかった時代的バイアスの存在が浮き上がってくる。Q&A中には満席の客席がスクリーンに映っており、その光景を感動的だと思った。

のち、雨をかきわけ、都美に都美セレクションを観にゆく。ギャラリーB「都市のみる夢」があたまふたつくらい抜けていた。ユーモアとクリティークのバランスが絶妙だと感じる。閉館ギリギリまでミズタニタマミの映像作品を観てわらっていた。


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話は前後するが、イメージ・フォーラムから表参道駅まで歩いている途中、同じレインブーツを履いたふたりの女のひとがわたしの目の前を一定の距離をたもったまま歩いており、彼女たちはそれを認識しているのだろうかなども思いながらたのしくながめた。「着ているものが被ること」は友人同士などうれしいときもあるが、基本的には避けたいことだ。

のち、電気ガス水道の停止手続きを通信制限にいらだちながら完了させ、ポレポレ東中野で金子由里奈『眠る虫』。新しいことをやる、その気概。アフタートークをきいていると、本人のおもしろさがそのまま作品に表出しているように思った。異界から、門をくぐりぬけてもどるシーンが印象的である。監督とはとくに話さなかったが、家には行ったことがあるのでなんだかふしぎな気分である。

上映前にブックオフをふらつき、油そばで腹ごしらえ。あまりおいしくなく、ざんねんなきもち。Kさんと飲むはずだったが、ギックリ腰になってしまったらしくキャンセル。またほかふたつのキャンセルがあり、昨日の脳みそフル回転スケジューリングはなんだったのかといわんばかりの余裕ができた、ような気がするが、気だけかもしれない、だって荷造りがおわってないのだ。