成立のための地平

昼をまわってから起床。昨日の炒めものとトマトジュース。冷菜として冷えたまま食べる。荷造りデイにするはずだったがやる気がわかず、音楽を流しながらずいぶんとだらだらする。買いだしにも行かねばならない。カツを食いたいがパン粉をいま買っても家をでる前に消費できない予感しかしない。いやべつに消費しなくてもいいのだけれど、引っ越すにあたってはできるかぎり物量を減らしたい気分がある。ブルグルをパン粉の代わりに使うのはどうかと思いつく。ものは試しだとやってみるきもちをかためる。

買いだしをおえて、いやほんとあと2週間かそこらででていくのだからまとめ買い方式はこれでおわりにしようと決意する。下ごしらえだけ先に済ませ、重い腰を上げて荷造り。衣類を1箱詰める。1箱目にしてこれは途方もないなと思いながら、なんだかやりきった感がでたのでまただらだらし、やがてとんかつを揚げながら音楽をかけて踊る。豚バラブロックをほどほどに薄く切って、かさねたもの。素直にロース肉を買ってくりゃいいじゃねえかと自分につっこみを入れながら低温でじっくり揚げてゆく。

味はといえば、ブルグル衣もあってわたしのしってるとんかつじゃない! のだがおいしいのでよしとする。ガリガリと癖になる歯ごたえをもったブルグル衣、コロッケなどにもあいそうな大いにアリの風合い。キャベツとピクルスをつけあわせに、ブラッディメアリを2杯飲む。ヨコトリの予約をする。Aさんの小説をさいごまで読みすすめる。感想を送る。


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『デザインの種』を読む。信頼できる言葉が載っている、と思う。話者自体が編集者としての眼・感覚をもっているがゆえだ、とわたしは感ずる。逆にいえば、わたしが日々の生活のなかで目にする言葉にはそのような感覚をもたらすものは少ないということだ。パブリッシュされてこの世にあらわれた品々は、さまざまな目をくぐり抜けてその最終的な形態にたどりついたはずなのに、なかなかどうして信頼に足らないことが少なくない。説明書や成分表などはまだしも、本や雑誌においてそうした言葉を見かけると、ほんとうにがっかりする。なにをよしとして、印字されているのか。SNSはいうまでもない。

盛大に寝坊。横浜美術館に着いているはずの時間に寝床で目覚める。いろいろ考えをめぐらせながら、シャワーだけ浴びて向かうことにする。混雑していないであろう平日にフルで時間がつかえる日はもうほとんどのこっていない。クッキーを2枚とトマトジュースふたくちというさみしい朝食。着替える途中、指をハンガーでズッパリ切る。痛みにショックを受けつつ、え、こんなに深く切れるの、あぶなすぎだろこのハンガー!と憤る。絆創膏をぺたり。電車に乗る前にお金をおろそうとするが、以前から調子のわるかったキャッシュカードがいうことをきいてくれない。再発行めんどうくさい/加筆:あとでしらべたら1100円も金をとるというではないか! 正気か? ふだん手数料とりまくってるっていうのによ! ふざけんなよ! などなどぶつぶつ脳内でぼやきながらみなとみらいへと向かう。