もみ手の裏面びっしり卵鞘

夜、カレーとクラッカー、ビールも一本。

なんだか実感がわかないが、もうしばらくしたら会社から開放されるのだ! すぐにもっとうれしくなる気がしたがまだ宙に浮いた気分。まだ有休代休交渉がのこっているからか。これさえクリアできればいろいろな心配事が消える。できることならお金に左右されない人生を送りたいし、そういうひとでものびのび生きられる社会にしたい。アンチ自罰他罰、イエス自楽他楽。

その上をスクロールできないタイプのバナー広告にいらだちを覚える。指を上にうごかすと、ぐにょーんとのびる挙動をして、指を離すといま踏みましたね?とすぐに詰め寄ってきて、まったく興味のないwebサイトへひょいと投げ飛ばしてくる。わたしは着地する前に壁を蹴って体勢を立てなおし、いちいち企業の名前おぼえておくからな、覚悟しておけよ。と、相手にはとどかない捨て台詞をせいぜい吐いておく。まずはdoda、おまえのことだよ。

本棚にズラっと並んだ窮屈そうな本の背をながめて、退去するまでは本を買うことをやめることを決める。にどめの決心。お金も節約しないと引越費用が捻出できない。『鵞鳥湖の夜』やロズニツァ特集の公開までは都に残っていたかったがちょっときびしいか、、よく計算しよう。


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有休も代休も、もちろんいうまでもなく残業代もないし、むこうの言い分によれば、わたしは昨日付で会社を退職したことになるらしい。やってきた成果を鑑みれば心底ものすごい会社だと思うが、労使関係的にはほんとうのほんとうにさいていの会社だ。5時間ほど話しあい(あいもかわらずわたしがしゃべったのは数分程度に過ぎないが)の時間が設けられ、これまでのわたしの勤労姿勢に対するつもりにつもった文句をいわれ、わたしより先にやめていった上司のわたしに対する非難や罵詈雑言をつたえられ、もはや反発する気力がわかず、ぐいぐいとまるめこまれる。ためいきしかでない。わたしが会社員としてろくでもないにんげんであるという自覚はあるので、返す言葉もないところもたくさんあるのだが、わたしが会社にとって役に立たない、つかいにくい人材であることと、会社が現在置かれている状況の両方ともが、わたしが有休も代休も得られず、退職日も勝手に退職願を出した日に早められることとはいっさい関係がない。義務を果たさなければ権利はないって、じゃあわたしがはたらいている時間っていったいなんなのか。そもそもそんな壊れきった労働観におれはのっかりたくない。もうつかれたよ。ゆううつだよ。ゲロ吐きそうだよ。ただ、失業手当申請の折に自己都合が会社都合になりうる可能性があるので、そこはまた明日雷を落とされようがなにしようが話をしようと思う。むこうだっていつの間にか自己都合が会社都合にくつがえってたなんてなったら余計なうらみが生まれるだけだろう。ていうか、さっさと退職させて嘱託契約させるなんてほんとうにありえるの? その場合失業手当ってどうなるの? わからないことだらけだよ。たすけてくれよ。こんな思いまでしてわたしははたらきたくない。退職交渉なんてにどと体験したくない。会社員なんてにどとやりたくない。嘘をついてまで生きていたくない。