ネバファイ

ダニー・ネデルコの余韻をひきずりながらボアズの「3020」。いやあ、屈指の名曲、思わず拳をにぎってふりあげる、なにもかもいい、くちびるを噛みしめる、そのまま寝入る。

朝、駅までの道のりでアスファルトにプリントされた標識にすべって靴底がおわる。アロンアルファでくっつけていたのでさもありなん。雨水が直に靴下に触れる。いろいろおわってるなと思いながら出社。『暴力の哲学』がもうすこしで読みおわる。自分が以前に考えていたこと、いま考えていること、これから考えるであろうことが、わかりやすい言葉と事例でぎゅっと凝縮されていて、めちゃくちゃおもしろい。会社についてまた靴底をアロンアルファで接着する。おわっている。


f:id:seimeikatsudou:20200613155929j:plain
近美ラブ


夜、なんとかしごとをきりあげ、ひさびさにEさんと飲む。今日はZやべつのEさんからも誘いがきており、めちゃくちゃにブッキングが集中した日で、その状況にちょっとわらってしまった。むろんうれしいが、みんなもっとばらばらにさそって! 雨の夜の街をうろうろしつつ、ここ数年満席でいつも入れなかった四文屋が空いていたので、やきとりややきとんを食べつつ、たがいの近況やこれからのことなどを話す。冷めてかたくなった肉を食べていると、串ものを頼むタイミングはむつかしいなと思う。店がうるさくなってきたので喫茶店に移動して、フェミニズムや選挙、アイデンティティレイシズムといった政治の話などをする。ホモソーシャル名誉男性といった概念を自分がうまく説明できないことに気づいて、もっと勉強が必要だと思った。いや、ほんとに本を読むってことなんだよ。ここでジョー・タルボットの詞が浮かんでくる。

Sexual violence doesn’t start and end with rape
It starts in our books and behind our school gates(Idles「Mother」

性暴力はレイプによってはじまったりおわったりするんじゃない
それはおれたちの本や おれたちの学校の門の裏手ではじまってるんだ(拙訳)

男性中心でうごいてきたこの社会では、ほとんどの書物が男性優位的に書かれている。それは意識的な場合もあるだろうが、ほとんどは無意識的にそうなされている。学校教育もそうである。たいていの学校は、国家のイデオロギー装置として、男性優位社会に都合よく適合するような、フィクショナルな「男らしさ」「女らしさ」を強化していく。ジョーはおなじ曲のなかでこうも歌っている。

The best way to scare a Tory is to read and get rich(同上)

保守主義者をビビらせるいちばんのやりかたは 勉強してリッチになることだ(拙訳)

booksとreadの対比。わたしたちは読むことができる。わたしたちは、そこに書いてあることを、そのまま受け入れるのとはちがうかたちで読むことができる。その読むちからが、わたしたちを「リッチ」にする。読むことは、自らを獲得していくことである。新しい自分をしっていくことである。古くさい価値観を破壊することである。

My mother worked 15 hours 5 days a week
My mother worked 16 hours 6 days a week
My mother worked 17 hours 7 days a week(同上)

泣くしかない。