踏みこめないまま人生の前半

昨日、会社にて今年はじめての冷房がインされたのだった。

リュックをまえに背負いなおせナスやろう、という朝。咳こむひといれば、歩み去るひとあり。家をでるまえ、すりきれたシャツの襟を見て、買い替えようではなくこれからは着ずに済む生活をしようという思いだけが浮かぶ熱帯。

書類の整理。指をすぱすぱ切る。痛い。不要な紙が山のようにそびえており、つかれる作業だが、途中、わたしの敬愛する詩人からの直筆ファックスや、これまたラブなデザイナーの手書きの手紙などが目に入り、多少元気になる。とくに詩人のほうはいっしょにしごとしてたのかよ!と声がでるところだった。汗をかきかき、退勤。駅までの道のり、マスクをデスクの上に忘れたことを思いだし、ひきかえす。駅ビルの周囲に野ビールするひとらが多くあり、よい風景だと思う。昨日、帰りの電車がめずらしく混雑していたのだが、今日は少ない。窓があいている所為で、私の首すじに雨滴が着地する。それに気づくまでは、なんでスマホの画面に水滴が着くのだろうとふしぎだった。まさか雨漏りしているのか?と首をおおきくひねったほどだった。ひとがまばらな車内で、離れた場所に座るOLが、わたしの挙動を訝しんでいる。


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先日撮影した子と同個体かしら?


夜、そうめん。つかれたあついだるいおなかすいたしゃわあびたいが一挙にやってきて、いらいらいらいらキレそうになりながらそうめんをすする。厚揚げ、豚バラ、茄子を、生姜みりん醤油でてきとうに煮立てたつゆ。後半はきざみのりとわさびチューブで味変。だしすぎたわさびの刺激が怒りをしずめてくれておもしろかった。

シャワーを浴び、息を吹き返す。しかし湿度が鬼だ。食べすぎて腹も重い。わさびも効いているのだろう。飯田有子『林檎貫通式』の新装復刊がうれしい。しかも書肆侃侃房。オンデマンド版は、わたしの所持している数少ない歌集のひとつである。「婦人用トイレ表示がきらいきらいあたしはケンカ強い強い」。サイコーすぎる!

つかれがすごい。金曜日。夜だが爆音で音楽を聴くしかない。精神がまずい。明日はひさびさに美術館へゆくぞ。だが予報はいちにちじゅう雨!