離隔(さようなら)、遠隔(さようなら)

わたしにはふたつの選択肢がある。実家に帰るか、都内(あるいはその近辺)の家賃の安い家に引っ越すかである。どちらにしても会社は辞める。転職もしない。フリーで生きる。決断は秋の更新日までに為さねばならない。どのタイミングで辞めることを切りだすのがいいのだろう。貯金があればもうちょっと余裕をもっていろいろ悩めたのだろうけれど、そんなものはないのだった。生きていくのはつらいことだ。

とつぜん怒涛の雨が降ってきたので窓をしめた。隣のアパートの洗濯物がハンガーにかかったままで、ずぶ濡れになっている。たたきつけるような音が部屋をつつんでいる。nap eyes、tops、yumi zoumaをかける。それぞれいちばん新しいアルバム。昼食は鶏肉とマッシュルームと白ねぎの醤油炒めをごはんにかけて食べる。あまったぶんは翌日のおかずになる。

さいきん夢を見ることが多い。負荷がかかっているのだろうか。今朝は開映ギリギリに映画館に入ったら、受付の女性に女性専用座席に案内され、なんで男が、と周囲の客から嵐のように文句をいわれ、そうこうしているうちに案内された座席がほかの客に占領され、映画が始まってしまったので肘掛けに座ってサンドイッチ状態になりながら映画を観る夢だった。そんな状態で映画を観ることを選択しているのがおかしい。わらってしまう。かかっていたのは平沢進の関係している映画だった。今敏の『夢みる機械』だろうか。スクリーンの反対側、座席の後方に窓(映写窓ではない)がついていて、そこから光が差しこんでいて場内はほどほどにあかるかった。

夕方、阿佐ヶ谷でフライヤーデザインの打合せ。外で飲むのは何ヶ月ぶりだろう。さいごがたぶん釣り堀でバーベキューをしたときなので2ヶ月? 数字にしてみるとそんなに経っていないけれど、体感としてはかなりひさしぶりの感がある。劇団の面々と今回はどんなものにするかを話しつつ、さいきん読んだ本の話や霊感をくれる音楽、東京を去ろうとしている話などをした。主宰のHさんとは3軒目まではしごし、生のきびしさを酒をあおりながら共有した。このような時間を積極的にとりもどしていくことが、今後生きていくうえでたいせつなんだろうなあとつよく思う。元気と生気をもらういちにち。


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日曜、終電間際の電車内。この写真をあっぷして、通信制限が解除されたことにおどろく


この生きていることのかなしさをいったいどうしたらいいのだろう。センチメンタルかつロマンチックにものごとを考えてしまう。感傷的な初夏の深夜帯。なんというか底がやぶけてしまったような感慨がある。やぶれかぶれっていうのはこういうことなんだろうな。なんでこんな傷だらけなんだろう。

家に帰り、歯を磨き、水を飲み、この日記をかかかかと打ちこんでねむりに落ちる。会社に行くのがゆううつでしかたがない。すべての重圧からのがれた日々を過ごしたい。