投石までの軽装

さいきんは風がよくでている日が多い。机にむかって本を読んでいると、豪邸の裏手(向こうからすればこちらが裏手なのだろうが)に生えた大木の葉擦れの音が窓から入りこんでくる。この屋敷の裏庭(こちらがわである)のおおきさを思うとポン・ジュノ『パラサイト』での庭も思い浮かぶほどだ。でかい庭といえば父方の実家の庭がとてつもなくでかく、池があり、橋があり、祠もあるものだった。豪商の末裔だそうである。その庭から、小石を投げたか打ったかして二階の窓硝子を割ってしまった記憶がよみがえってきた。中学時代にも教室のなかでリュックサックか何かをジャイアントスイングして放り投げたら硝子窓に直撃し、たたきわってしまったことがある。どちらもそんなに叱られたおぼえはない。硝子の記憶。

巨峰カルピスの蓋をあける過程で指の皮がこそげ、血がでた。そうした痛ましい事故がそれぞれの家庭で無数に起こっている。誰にもしられることなく、傷は乾き、癒え、すがたをくらます。そうした些事をあますことなく書く。不可能だが、書く。翌日、膿む。

気温30度。水シャワーの季節に足を踏み入れている。まいとし光熱費が減ってよろしいのだが、在宅勤務がどうでるか。岡山ガスの英断、東京ガスもあとにつづいてくれないだろうか。もちろん東京電力も。値上げとかなめたことしてないでさ。

荒川洋治『日記をつける』を読みおえる。マルグリット・デュラス『愛』も読みおえる。山崎望・山本圭編著『ポスト代表制の政治学』を読みはじめる。読書記事の執筆速度に対して読みおえるスピードがはやまっているので併読書の数を増やしていかないとまずいと思う。ひと月以上手にとっていない本も含めればすでに10冊ぐらいは同時に読んでいる気がするが、、ひとまず時間のかかりそうなソンタグアルチュセールにもどろうか。日記文学のラインでゆくのならば、カロッサの『ルーマニア日記』も読みすすめてゆきたい。


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今朝はカレーをナンで。まいかいひと鍋ぶんたっぷりつくるので、毎食主食をローテーションする。今回は米、クラッカー、うどん、ナンの4つで6か7食した。カレーと水シャワーは相性がよいのでまたちかいうちつくることになるだろう。日中、汗だくになりながら辛いカレーをほおばり、食べおえたらすぐに素っ裸になって、冷水を全身に浴びるのだ。汗をかいてデトックス(は科学的裏づけのない迷信です)!

ひきこもり生活ひと月半にして時間を区切ることのたいせつさにようやく気づく。昼頃からいちばん暑い時間帯ぐらいまでしごとに精をだし、それから読み書きをはじめる。あまりの暑さに今日はビールを飲むぞとかたく誓う。巨峰カルピスを相棒に、00年代、10年代邦ロックをかけながらアルチュセールアガンベンジジェクらを横断する。つかれてきたので途中で読書記事の執筆に切り替える。はかどらない。シャワーを浴び、マニキュアを塗る。めんどくさがりなのでようやっとにどめである。もっと練習する必要がある。ロング缶のビール2本とじゃがりこを買って帰還する。今日の献立は、じゃがりこ、大葉とごま乗せ冷奴、味噌マヨトマトきゅうり、最強にうまいパセ豚餃子のあまり。ほんっとにおいしいので今週末もかならずしこもうと思う。たくさんつくって冷凍しておく。