もう少しで28になる

何かそう雨が止まなくて、って歌うのを聴いたのが2007だか8、いずれにしても10年以上が経って、とうとうその状況になってしまった。何も成せぬまま、とまではいわないが、何にもしてねえ、とはこの頃よく口をついてでる言葉で、それ以外はねえ、何もねえ(へ)と触る髪をもつ「きみ」もいない。近い将来、つまりはここ1、2年のうすぼんやりとした計画はあるが、そんなものがうまくいったり役に立った試しはない。

チケットの払い戻しをするのは生まれてはじめてだった、バットシェバ舞踊団とサンドロ・ペリ、手数料までもどってきて、おお、とおどろく、無数の美術館や映画館が閉館していておどろく、来週はともだちのDJを聴いておどろ、くだんねぇ俺だって白鳥になれる気がするから、定時が過ぎてからオーダーされるしごとにいらだちながらキーボードをたたいて吉祥寺に酒を飲みにゆく。すこしはやく誕生日を祝われ、終電を逃してタクシーで帰る。たのしい。たのしいきもちの平方根

宿酔のきもちわるさを抱えながら白菜豚卵うどんを啜り、おニューのスニーカーにアメダスをふりかける。何年も使っていなかったのででがわるく、ぽしょわしょわーとしなびたホースのようなうなだれ、あまだれ、ついでに革靴にもふりかけ、スニーカーをおろすのは明日にして、映画を観にゆく、3本観る、『Red』、『レ・ミゼラブル』、『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』、こんなに数を観るのなら1日にいけばよかったのに、駄馬のようなマイマインドがそれをゆるさなかった、センシティブなエモーション系マイマインド、天才だった頃の俺にまた連れてって、おれが連れていく、おれがおれを連れていく、咳こむひとびととならんで坐って、おれがおれを連れていく。


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