整頓されないものだけがコミュニケートできる

引越しのじゅんびをしている。ものを捨てられないにんげんなのでとてもたいへんだ。積み本をぱらぱらめくっているといつのまにか深夜になっており、小腹がすくので笹かまなどを食べている。この積み本というのはほんとうにやっかいで、どの塔(積み重なったブックタワーを指す)をくずしても読みたい本しかないのである。きのうはイットガール特集のギンザと、ミヒャエル・ハネケの映画術を読んでいた。ハネケやっぱりだいすきだ。いちばんすきな映画監督はだれかときかれたら、いまのおれはミヒャエル・ハネケとこたえるだろう。タイトルからしてヤバい次回作『ハッピーエンド』の公開が待ち遠しすぎる。観ていない過去作を公開までには観ようと思っている。『カフカの「城」』と『タイム・オブ・ザ・ウルフ』である。もちろん観たことのない作品というのはあくまで劇場公開用長篇作品のなかでというごく限られた範囲内の話であり、初期のテレビ用につくられたものなんかもどうにかして観る機会が得られればいいなとおもっている。

脳がいたい。腹がへった。家がとおい。さいきんはほしい本が続々と刊行されているのだけれど、引越しまえにこれ以上ものを増やしたくない。とくに斉藤斎藤『人の道、死ぬと町』をはやく読みたい。