読書

ポリマー的にどうですか

11冊目、荒川洋治『日記をつける』。岩波書店、2010年刊。単行本は2002年刊行。絵日記・交換日記・ブログといった形式、あるいは子供のもの、大人のもの、戦時中や行商記など、書く主体や書かれる題材、さらには「書く」と「つける」のちがい、日記における…

淡水公園から歩いて5分

8冊目、長嶋有『猛スピードで母は』。文藝春秋社、2005年刊。単行本は2002年にでている。ふたつの中編が収録されており、先に入っているデビュー作「サイドカーに犬」を読んで放置していたのを、さいごまで読み通した。深夜の読書にぴったりの、たまらないき…

応答しない姉たち、あるいはフルーツバスケット

6*冊目、絲山秋子『逃亡くそたわけ』。講談社、2007年刊。単行本は文藝春秋社より2005年にでている。福岡の精神病院を衝動的に抜けだした男女2名、やぶれかぶれのキチガイたちによる晩夏の逃避行。車をひたすら南に走らせながら、目についた畑の作物をむさぼ…

やらかい花びら、いちまいにまい

3冊目、本谷有希子『静かに、ねぇ、静かに』。講談社、2018年刊。それぞれSNS/インターネットをギミックにした3本入りの短編集。1本目の「本当の旅」を事前に演劇作品として鑑賞しているが、そのサイテーだった舞台版がかき消されるほどに本書はおもしろか…

まあるいひかりを浴びている

在宅勤務が命じられた。己の欲望のままに翻訳すれば本を読めということだ。本棚を埋め尽くす積み本をくずしてゆけということだ。ということでしばらく読書ブログとして魂を入れ替え、読むことに本腰を入れてゆくことにする。いや、中腰くらいかも。ていうか…